解説がわかりにくいし、答えがどこにあるのかとても探しづらい。
問題の質は悪くないのかもしれませんが、使いやすさという意味では全く良くないです。すぐに他の本に移ってしまいました。もったいなかった。

著者は予備校講師。
構成は、まず、1次の計算技能対策として分野別に基礎的な問題、次に、2次の数理技能対策として分野別に応用問題があり、最後に1次2次をセットにした過去問が4回分である。
1次、2次に分かれている前半は、実際に出題された問題と新作問題とが半々くらい。
また、それぞれ単元別にその分野のポイントがまとめられている。
解説と解答は、必要にして十分。
ただし、詳細な解説はないので、答えあわせ以上は難しい。

全体的な評価は、価格や分量の点で高校数学の問題集とあまりかわらないが、基礎、応用、実践という構成が使いやすく、数学の復習をするには向いていると思う。

しかし、この本の責任ではないのだが、問題集の冒頭に、
「1級とったら三代にわたる「知の財産」の活用を図るべし!
2級とったら社長になろう!
3級とったら履歴書に書き込もう!」
というコピーが丸ゴシックで大書してあるのをみると、数学検定のために勉強し直そうというしている自分が無性にむなしくなる。
また、「実用」数学技能検定という正式名称であっても、その問題は必ずしも「実用的」なものばかりではなく、むしろ「教養」数学の問題のほうが多い。いいかえれば、受験数学の枠を出ず、なぜ数学が必要なのかという問題に数検自身が答えていないように思う。資格ビジネスの域を出ていない。

したがって、資格を取る取らないにかかわらず数学を復習したいならば、「経済学で出る数学」(経済セミナー増刊)のような、より「実用的｣な高校数学の本のほうがよいと思う。

現時点で最新の過去問題集です。漢検や英検は年度版のような過去問題集が毎年出ていて、１年前の過去問も手に入れることができるが、数学検定協会は不親切かつ怠慢なのか、この過去問題集に収録されている問題ですら２年以上前のものです。数学検定協会の猛省を望みます。