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白夜を旅する人々 (新潮文庫)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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つくりものになってしまっている  ★★☆☆☆
三浦哲郎は「私小説作家」「短編の名手」と言われた。これは、自殺した二人の姉を描いたものだが、哲郎自身は、生まれたばかりの赤ん坊として出てくる。つまり、自分で見たことを書いたわけではないので、つくりもの小説になってしまっている。
 藤村の『夜明け前』もそうだが、自分の肉親のことを描いても、自分がその場にいないと、いい小説にならないという一例である。
心に迫るものがある。 ★★★★★
この長編小説は、氏の実体験を元にしたものだと言う。この作品を書くのは、著者にとってどれだけ苦しいことだったかと思う。兄弟姉妹それぞれがそれぞれに重い宿命を背負い、ある者は死を選び、ある者は生を選び・・・・。何度読んでも心に迫るものがある。
温もりあふれる名作 ★★★★★
内容的には暗く重い話ですが、方言で語られているせいか、なんとも言えない不思議な感覚にとらわれます。柔らかいというか、温かいというか。その雰囲気の中で進む、宿命的な兄弟の破滅へ向かう物語。それでも残された者達は、先立った者達を心に抱いて生きる。残された者も先立った者も、同じ白夜の中を旅しているのだろうかと思うと、タイトルが言い得ていて非常に深くせつない。名作!一読あれ。
悲しくも美しい物語 ★★★★★
最近15年ぶりに再読したのですが、本当に素晴らしい小説だと再認識。
文章から浮かんでくる情景、登場人物たちの心情……。
これぞ日本文学!と叫びたくなるような、名作です!
家族という呪縛 ★★★★★
 自殺、失踪で次々と兄弟を失った、著者の体験をモチーフにした作品です。不安を抱えながらもバランスを保っていた家族が、一人が倒れると手を繋いだままずるずると倒れてゆくように亡んでゆきます。それぞれが自分の存在を消そうとした理由は、家族だけではなく、家の外でひっそりと温めてきた希望を失くしたことが引き金となっていますが、残された者はそれを家族の問題と結びつけ、自らも深みに沈んでゆきます。血の呪縛など妄想だと言うのは簡単ですが、いい意味でも悪い意味でも家族とは離れられないのではないかと思ってぞっとします。
 設定は違いますが、同じようなモチーフを扱った「忍ぶ川」「初夜」は残された末っ子がこの呪縛から決別する話です。