インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

長距離走者の孤独 (新潮文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
誇り ★★★★★
4月25日にシリトー氏が死去したという報道に接して自分でも意外なほど衝撃を受けました。
「怒れる若者たち」というくくりで語られることの多い作家ですが、私が何よりも感じていたのは、この人は誇り高い人間を書く作家だということです。

巷では一発屋と言われていますが、ChumbawambaのTubthumpingという曲に「I get knocked down but I get up again. You're never going to keep me down」というフレーズがありましたが、誇りとはこういうものでしょう (そういえばこのバンドも、シリトー自身もイギリスの産ですね)。

全力を尽くすが、それは報酬のためではなく自らの誇りのためであり、そこには経済的な利益を得るためとか、ましてや権威者の歓心を買うためなどという計算がないのです。これは権威に対する反抗であると同時に、広い意味では不条理に対する戦いの系譜だと思います。

ジャンルは全く違いますが、メルヴィルの描くエイハブ船長であり、カミュの語るシーシュポスであり、チャンドラーの描くマーロウと精神的な兄弟と言っても良いほどのつながりを感じます。

シリトー氏の冥福を祈ります
全体的には退屈か ★★☆☆☆
イギリスの作家アラン・シリトーの短編集。表題の「長距離走者の孤独」をはじめ、「アーネストおじさん」「レイナー先生」など8篇の作品が収められている。
いずれも一人称的な文章が羅列されており、日本の小説とは印象が違うな〜と感じた。私に読解力が無いためか全体的に退屈だった。作品の背景には貧しいイギリスの労働者階級で育った著者の生い立ちがあり、作品全体からは何か物悲しい印象を受けた。
「長距離走者の孤独」は貧しい家庭に育ったために、犯罪にはしり、感化院(少年院のようなもの)に入れられる。偽善的な権力者に対し、抵抗を試みるまでの主人公の回想が中心となる作品。
葛藤を抱える若い人に ★★★★★
自分なりの正義感と学校や周りの社会との折り合いをつけるのに苦心していた思春期のころ、生きる指針を与えてくれた本です。
"権力"の期待通りにラクな道を進むという選択肢のほかにもいくらでも道はあるのだ、自分の人生に勝利するにはいかに生きればよいのか、等々。
いい子でいることに疲れた若い人が少しでもこの本を読んで楽になればと思います。
今や古典的作品か。 ★★★★★
中産階級の知識人が旦那芸で書いた文芸作品ではなく、労働者階級が描いた1950年代の青春悪党物語。中高生の頃は何度も読み返した懐かしい小説。
日本も総中流化、バブル経済の一億総成金文化の時代、この手の作品は、中高生向けとしても暫く忘れ去られていたのではないだろうか。
日本も格差社会化が声高に論議されて久しいが、この作品の主人公に共感できる若い読者も今再びいるのではないかと思う。
今この本を読み返す ★★★★★
大江千里が自らの曲名に使ったり、一時期は青春文学のトップランナー
だった印象があるが、最近はあまりこの作品の名を聞かなくなった。
だからこそ(といってはなんだが)、今この本を再発掘する価値があると思
う。安いし、短編集だから学生が夏休みに読む本としては最適。
ところで、昔読んだ事がある方で、「こんな青臭いの読んでられねーよ」

とか言ってる人。手元にあるならもう一度ひっぱりだして、同時に
収められている「漁船の絵」を読んでみよう。
心に沁みる苦さが味わえます。