自殺しないで楽になる方法
★★★★☆
この鮮やかなカバーとポジティブなタイトルにもかかわらず、本書の内容は一言で言えば「自殺回避の処方箋」かな。でも省庁や役所が学校などに配布する冊子等とは対照的に、突き抜けたスタンス。例えるなら「いじめられて死ぬ前に、いじめたヤツの人生を破滅させてやろう!」てな感じだ。いじめが「暴力」や「恐喝」を含むなら、学校に相談するより、警察に通報する方が手っ取り早い、とか。就職できなくっても、最後は生活保護という楽な手がある、とか。「僧侶のコスプレをして托鉢する」というくだりには電車の中で読んでて、思わず吹き出してしまった。
でも、やっぱり「最後には自殺と言うリセットボタンがある」って明言して欲しかったな。そこが鶴見済との違いだね。でも、文章にはスピード感があってとっても快適。
冒頭部の著者の個人史の部分は以前読んだ『生き地獄天国』と内容がかぶっていたが、本書を先に読む人にはやはり必要だろう。
同調できてしまった・・
★★★★☆
著者のように壮絶な過去があったわけではないが、「分かる!」と思えてしまった。
同年代の友人達やブラウン管の中の人達と自分を比べては「私はなんて生きづらい人間なんだろう・・・」
と凹みまくっていた自分。
が、本書を読んで「私だけじゃなかったんだ〜」と嬉しくなった。
過去から立ち直った人も生きづらさ全開で今を生きている人も、「自分は一人ぼっちじゃない!」と勇気をもらえる
そんな一冊だと思う。
微妙かな。
★★☆☆☆
うーん・・・。
今現在、病気で苦しんでる方にとっては、この作品はある意味、危険かもですね。それは、「自分もこのように、プラス思考で生きたいのに・・・。」と思ってしまう場合。
反対に、希望になりうる場合もあるでしょうね。
「私も、病気になってよかった!と思えるようになりたい!」と。
しかし。
様々な病気(アル中や、リストカットを含め)を、巧く「正」のエネルギーに変換し、「回復」した人だけが、意気揚揚と、自ら苦しんだ過去を、「自慢」しているだけの本でしかない。
この作品の中に出てくる、ある団体に属していた私としては、
病気をビジネスにする、という考えには今だ、納得いかない。
「病気の自慢ごっこ」は、もう、お腹いっぱい。