私は婦人科医ですが大動脈周囲リンパ節廓清術についてのいい本がないかなと思っていたところ、この本に出会いました。卵巣癌や子宮体癌の手術前には必ず目を通しています。膀胱全摘術のくだりも子宮癌手術を行う際にためになります。手術のうまい婦人科医もこのような本を書いて欲しいものだと思います。

５年目泌尿器科医です。泌尿器科手術のほぼ全範囲にわたり、ポイントをとらえ記されています。（特に膀胱、前立腺、腎の手術の充実ぶりには目を見張るものがあります）写真による図解と比べ要点がストレートに伝わるイラストが実に斬新で、かつわかりやすく、イメージをどんどん明確に膨らませてくれます。術前術後に熟読すれば、手術の流れ、要点も明確になり、手術手技も向上するものと確信しております。自分のような駆け出しの泌尿器科医には当然のこと、指導者の方々、ならびに手術に携わる医療関係者にとって必携の書かと思われます。

筆者の膨大な手術経験に基づいて書かれており、手術の基本である解剖を熟知してないとここまで詳細にポイントを押さえては書けないだろう。イラストであるため写真ではうまく伝えることができない手術のポイントが強調されてたいへんわかりやすく読みやすい。イラストによる泌尿器科全般にわたる手術書は本邦初めてだろう。新鮮さを感じさせる。泌尿器科のほとんどの術式をとてもわかりやすく網羅した良書であり、泌尿器科手術を極めるための必携の書であるといえる。イラストであるため手術場や泌尿器科病棟の看護士や診療情報管理士などコメデイカルスタッフにとっても容易に泌尿器科手術が理解しやすくなっていることもうれしい。