音楽が・・・
★★★☆☆
出演者は豪華で踊りも申し分ないです。ただ、曲がかなり編曲してあって、聴き慣れたものと違います。正直残念です。
ヌレエフのステップを踊るマニュエル・ルグリ!!
★★★★★
ここ数年ロシアの舞姫たちに比べてパリオペラ座のエトワール嬢たちがかなり地味に感じられるようになり、おまけにマニュエル・ルグリはバジルに合っていない…というので手を出さずにいたDVDだったのですが、いやいや、素晴らしいです。圧巻でした。ルグリがこんなに偉大なダンサーだったとは、とか言うと真正バレエファンから石つぶてが飛ぶでしょうが、いや、ルグリは端正で上手だけれど地味だなぁ、という印象がずっとあったのです。
若手の頃はパトリック・デュポンという天衣無縫のアイドル系ダンサーとシルヴィ・ギエムという女王様系の天才の影に隠れ、さてスター街道かという頃には、立ってるだけで美々しいマラーホフとか中央アジアのエキゾチズムをまき散らすルジマートフとかとかカリスマ系男性ダンサーたちにイメージ的に圧倒され、気が付いたら男性ダンサーの最盛期は過ぎていた、というのが私のルグリのイメージだったのですが、自分がいかにバカだったか悟りました。
本作品を見ながら、「こんなに綺麗に踊れる男性ダンサーって他にいるのか!?」と仰天してしまった。私はこれほど非の打ちどころなく動き、美しく音楽に乗る男性ダンサーを見た記憶がないです。そして、これはヌレエフが憧れて到達し得なかったカラダのバランスでありステップの流れではなかろうかと。ヌレエフは自分の為に高難度のステップを振り付け、それをフラフラしながら踊っていた人でした。「もっと無理のない振り付けをすればいいのに」と思われながら、軸のないカラダをフラフラさせて必死にステップを踏んでいた。彼の「エリック・ブルーンのように踊りたい」という夢はルグリに託され、ルグリが達成していたのかもしれない、と深く感動してしまった。さらなる感動は、オリジナルの振付作品をバランシンに袖にされて号泣したヌレエフの本改訂版での振付・演出の素晴らしさなんですが、これはもう師弟の魂の交歓と言ってもいいかもしれない。夢はリレーされるのだ!
という訳で、ヌレエフの振付家としての才能とマニュエル・ルグリのダンサーとしての偉大さ、二重の鳥肌が味わえる絶品です。
ここは天国
★★★★★
ルグリとドュポンのペアは、世界バレエフェスで初めて観、あまりの美しさに驚嘆しました。世界最高峰のスターダンサーがきら星のごとく集合する舞台の中でも、その詩情性、芸術性は群を抜いていました。最初に二人が踊ったのですが、その一曲を観ただけで、今、帰っても入場料は惜しくない、と思われる程の美しい踊りでした。今年ルグリがオペラ座を退団しました。退団前最後の60日とこのDVDを観ましたが、大変感動的な退団公演でした。また、ドンキホーテは、特に第三幕が素晴らしかったです。この世の物とは思われないほどの圧倒的な美しさです。
エレガント
★★★★★
素晴らしくエレガントなドンキでした。
オペラ座らしい品のなる踊りと、デュポンのテクニックは予想以上です。
最高のドン・キホーテ
★★★★★
衣装も舞台装置も今まで見た中でこれ程までに華やかな作品は見たことがありません。オーレリは登場から輝いていて、バジルを挑発するお転婆なキトリ。踊りも艶やかで目を奪われます。ルグリの登場も輝いていて流石。バールのエスパーダとジローの踊り子も躍動感がありながらとても滑らかで優美。第2幕でのパ・ド・ドゥも1幕と打って変わってしっとりと2人の愛の深さをひしひしと感じます。カール・パケットも荒々しさがギプシーらしい。夢のシーンでの幻想的な美しさは御伽の国の様。バシルが偽装自殺をする場面でのオーレリの演技。第3幕では宮殿での結婚式の様な艶やかさで、愛を成就した二人の喜びに溢れています。1幕ではお互い他の人と踊る相手に嫉妬と非難の視線、3幕では恋する二人の艶やかな視線を事あるごとに交わし、バレエとは踊りの技術だけでは無いのだなとこの作品を見て最も実感しました。
この作品でエトワールに任命されたオーレリ。無理してると感じる方はオーロラやラ・シルフィードの印象に囚われ過ぎているのではないでしょうか。私はこの作品でオーレリの豊かな演技力を感じました。ラ・シルフィードの妖精より断然いい、というか、比べる気もしない。ルグリ様の最後に踊り終わった後2人で抱きあう場面の幸せに満ちた表情も本当に様々な困難を乗り越え結ばれた愛に満ちた二人としか思えない幸せに満ちた笑顔にも大感動。この2人は実際にも本当に恋人同士ではないかと思ってしまった位です。本当は星無限大にしたい位です。