思った以上に 読みやすいです
★★★★☆
堅めの文学評論?かと思いきや
文字、言葉、文章、文学それぞれのレベルに対する著者独自の分析と
日本/世界文学紹介を交えてのエッセイ集です。
おおまかな文学史の流れが教養として身についたのと、
ところどころで引用されている詩歌が、どれもさりげなく心を動かすものばかりで
そばに書き写して、時々眺めていたいなぁと思うものが結構ありました。
この本でなければ出会えなかったと思います。
過去のいろんな時代・国に生きた人々が残した言葉を
知らないままにしておくのはもったいないと思わせてくれる、まさに
読者にとっての「文学の門」ではないかと思います。
著者は観察力があると思われ、行間を読んでいるような文章の分析や
最近のいわゆるネット世代に向けての若干、苦々しい視点も面白いです。