子どもの現在(いま)からスタートする教育
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著者は定年退職を間近に控えた東京都の小学校教師。競争原理に汚染された教育現場にとどまり、生きにくくなった子どもたちの変容に丁寧に付き合いながら、教室に光や希望を生みだしている。「荒れる、キレル、閉じこもる、パニックになる子どもたち」との具体的な悪戦苦闘の物語を語る中で、著者がどのようにそれらに立ち向かっていったのかを知ることができる。
子どもをいかに理想像に近づけるかという発想ではなく、子どもの現在から出発する教育が尊い。心がほっこりする教育実践の記録である。