アカデミックな山のガイドブック
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登山とは無縁と思っていた人も、これくらいならチャレンジしてみようかな、という1時間程度の初心者コースもありますし、臨場感あふれる文章でバーチャル登山を楽しめます。
もちろん、登山慣れしている人も、これまでガイドブックでは紹介されなかった「白水尾根」や「鬼ヶ島」などのマイナーなコースも紹介されているので新しい発見があるでしょう。
全山縦走路も9分割して公共交通機関へのショートカットも紹介しているので、トレーニングして距離を伸ばしながらチャレンジできます。
茶屋情報や、ロッククライミング練習場情報なども掲載されている充実の一冊です。
有馬に六甲越えして魚を売りに行った商人の話や神戸事件の発端となった幻の徳川道などで歴史に思いをはせることができるのも楽しいです。
六甲山があまりにも親しみやすい山で、気軽にでかけてしまう人が多いため、死亡事故が起こっていることや、注意事項もしっかり読んでください。
専門的な山岳雑誌にありがちなひとりよがりさ、マニアックさがないのはさすが「山登りと文章」両方のプロがひとりで書いたから実現できたのだと思います。