大メロドラマの古典
★★★☆☆
親の世代にとっては、大名画だったらしいので、いつか見たいと思っていましたが、超
廉価版で購入できて、よかったです。制作陣が豪華です。総指揮はセルズニック、監督はヴィットリオ・デ・シーカ。
1950年代のローマ・テルミニ駅で繰り広げられる、アメリカ人の人妻、マリア(ジェニファー・ジョーンズ)と、イタリア人の父とアメリカ人の母をもつ、青年ジョバンニ(モンゴメリー・クリフト)との道ならぬ恋と別れを描いています。
とにかく、大メロドラマでした。冷静に見ると、マリアが悪女に思えてきます。ジョバンニへの思いを断ち切るなら、もっと彼に対して冷たい態度をとってわざと嫌われるとか、何か手段があったのに?と思うのですが、ジョバンニの心をもて遊んでいるか、自分自身がローマでの恋に酔っていて、ひきずっているように見えました。
モンゴメリー・クリフトは、イタリア男にしては、暗すぎるかな?
アンナは、ローマを発つ7時の列車に乗り遅れ、次の8時半までジョバンニとの最後の時間を過ごしますが、二人きりになれる場所がなく、必死で追いすがるジョバンニの想いにほだされ、人気のない車両に乗り込みます。しかし、彼らを不審に思った公安官に警察に連行され窮地に陥ります。この二人への、警察署長の判断は粋なはからいでした。
この作品は、昔の言葉でいえば、よろめき映画ですね。
ヒロインの甥役は、R・ベイマー(ウエストサイドストーリーのトニー)でした。
ジェニファー・ジョーンズは美しかったし、衣装はクリスチャン・ディオール。
1950年代のテルミニ駅の風景がたくさん出てくるので、今の様子と見比べるのも楽しいでしょう。