素晴らしい哲学!日本が今まさに必要とする教え。教育の現場にも取り入れてほしい。
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本書は、西郷隆盛の「南州翁遺訓」(なんしゅうおういくん)を稲盛氏が自らの人生哲学を通じて解釈したもの。稲盛氏はまさに現代の西郷隆盛だ。大変勉強になり、また感動しました。
ここまで無私・至誠の経営者は現代では本当に稀でしょう。なぜ稲盛氏に、日航の再建を担い手として白羽の矢が立ったのか、また、なぜ無給で引き受けられたのか理解できた。
どの章も素晴らしいが、私は特に5章の大計の中の次の部分が、これからの日本という国が正しい方向へ進んで行くためにはとても大切だと思う。
「一国の宰相だけでなく、私たちにもやらなければならないことがあります。「日本を知る」ということです。この国がどのようにして成り立った国なのか、我々の祖先がどういう生き様で国をつくってきたのか、
素晴らしいことも過ちも自分たちの国が歩んできた道のりを知ることです。今の教育現場は、日本という国について教えることおにあまりにも腰が引けています。グローバルに生きる時代だからこそ軸足をしっかりと据えなければ、日本人は世界の中で「根なし草」になってしまいます。日本の成り立ち、特に近代になってからの世界の中における日本の位置づけを教育の現場できちんと子供たちに教えるべきです。そのうえで
これからの日本がどういう道を歩んでいったらよいのか考えるべきではないでしょうか。」
日本の教育は変わらなくてはいけないと思う。
本書は、日本を築きあげてきた上質な日本人の思想、生き様を知ることにより「日本を知る」ということに
大いに役立つと思う。
がつーんと心地良い『喝』を入れられた、そんな感じのする本です
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いつの時代もそうなのかも知れないが、特に今は自分のことしか考えない人が多い世知辛い世の中と思うのは私だけではあるまい。
本屋に行けば、あらゆる啓発書が並び、如何にスキルを向上し、『金を貯め』『出世する』かを説いたノウハウ本が氾濫している。
私もそんな本を乱読する一人である。
そんな中この本は、まず『無私』の心を説く。
会社のトップになっても自分自身のことは犠牲にして会社のことに全身全霊を尽くす。そこにいささかの私心もはさんではならないと。
そして、『利他』の心。
著者は言う、『名声を欲張る、地位を欲張る、財産を欲張る、それらは西郷が言うように、すべて自分を大事にするということに端を発し、最も良くないことです』と。
だって、美味しいもの食べたいじゃない、楽をしたいじゃない、良い車に乗って、クルーザーとかで遊びたいじゃない、といろいろな願望がある。
だが著者が目指しているのはそんなレベルの話しではなく、もっと美しく上質な心を如何に持つか、という話しで、最終的には「悟り」の境地、にある。
『人生の目的とは、お金儲けや立身出世など、いわゆる成功を収めることではなく、美しい魂をつくることにあり、人生とはそのように魂を磨くために与えられた、ある一定の時間と場所なのだと私は思うのです』
そんな美しい魂をつくるために、著者が日々心掛けていること、それがこの本の中身です。
利己私心に塗れ、そろそろノウハウ本を読むのにも疲れてきた人生に、がつーんと心地良い喝を入れられた、そんな感じのする本であります。
まさに、《人生の王道》。
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《西郷どん》に関しては、詳しく知らないのですが、尊敬する《稲盛和夫》氏の著書ということで、とりあえず読んでみました。やはり、素晴らしい内容の本です。西郷どんの素晴らしい教えを読みながら、もう一度、自分自身の生き方を見直さなければいけない。と、思ってしまいました。私は、良くも悪くも《ファジー》な性格なので、《西郷どん》および《稲盛和夫》氏の生き方を、見習いたいです。
「歴史」の考えが欠落している著者
★★☆☆☆
この本、社販で買わされました。
折角なのでさっと読んでみましたが、何冊も出版されている著者の他の本と
内容は何ら変わりません。同じことを繰り返し書いて、社員に買わせて印税
を稼ぐビジネスモデルっていいですね。。(笑)
著者は現代の西郷隆盛でしょう。ただ、西郷と違うのは、資本主義の手垢に
まみれてその精神が変容してしまっていることです。著者の経営する京セラ
は、ト○タのO氏のように創業家以外から出たトップの縁戚者を中心に据えて
事業展開を図る事業の戦略を取っています。いわば、人脈経営。これが武士
の最期を西南戦争で究めた西郷のように自縄自縛に陥らなければ、、と危惧
します。まぁ、もう辞めてしまったから、個人的にはどうでもいいのですが。
西郷の教えを現代経営者が説く
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原典である日経ビジネス連載時に読み、単行本でもう一度読みたいと思ってましたが、素直に感動できる非常にいい本です。
西郷の教えを異郷の弟子たちがまとめた「南洲翁遺訓」自体の素晴らしさもさることながら、永年にわたり企業経営に携わってきた稲盛氏がその教えを解説することで、西郷の教えがより具体的に感じられます。また、稲盛氏自身も鹿児島出身で幼い頃から西郷の教えに親しんできて、かつ、それを永年に亘り実践してきたことで、氏の血となり肉となり、腹に落ちているからこそ、説得力があるのでしょう。
「上質な日本人になるべし」という言葉は、20代位までの若い人には綺麗ごとのように感じられるかもしれませんし、私のような凡人では本書に書いてあるようなことをいつも考えてはいられないのですが、ほんの少しでも実践できれば、仕事に対する意識は変わっていくのだと思います。
西郷と稲盛氏の教えが融合した不思議な本ですが、読んで損はしない本です。