第2作までは、凄くオモシロかったな。
★★★★☆
御存知、ダーティハリーの大成功で生まれた第2弾。結果は前作を凌ぐ興行成績で、晴れてシリーズも5作まで製作されたのは御承知の通り。イーストウッドの映画群は、今や多くの作品批評が成されているが、今作は、こんなにオモシロいのに、この後量産される自身監督作たちに割りを食った形で、殆ど黙殺されている。
深紅のスクリーンをバックに映し出されるマグナムのクローズアップ。ラロ・シフリンのズズンと響き渡るリズムに、Ah、Ah、Aaaaa〜のハーモニー、オープニングのハリー・キャラハンの決め台詞がいかす。脚本はジョン・ミリアス&マイケル・チミノの手に依るモノであるのは、あまりに有名。前作の偏執的な殺人鬼スコルピオから打って変わって、今作の敵は、絶対的正義を盲信し、私刑を続ける警察官たち。ハリーと旧知の同僚と事件との関連性をサスペンスフルに見せたり、珍しや日系人女性との一夜の情事を描いたりと言った工夫もなされている。そう言えば、本筋とは関係ないアクション・シークエンスを序盤に挟む趣向も、今作で確立されたんじゃないか。ハリーと犯人のひとりとの、署内射撃大会での息詰まる攻防。アウト・ローからイン・ローへ、微妙に変化するハリーの立ち位置。BDとしてのクオリティ面も、既存DVDとの差異が実感できる出来となっている。
監督はテッド・ポスト。TVシリーズにも代表作が多い職人監督、イーストウッドとは、「ローハイド」以来の知己。今思うと、今シリーズはWBのドル箱でありながら、全てイーストウッドのプロダクションであるマルペソ・カンパニーの製作。イーストウッド自身がメガホンを取った4以外は、かっての恩人に裏方スタッフと、皆、関係深い人物ばかりが監督を手掛けている。今更ながら、その仲間意識に、イーストウッドのハートを感じずにはいられない。