教本としては役に立たないが……
★★★★☆
プロの人が絵を仕上げている様子や過程をみるのはとても楽しいものです。
それだけでも、この本は価値がありますが、逆に言うとそれだけの本です。
あこがれのあの作家の製作模様を見てみたいというミーハーへの需要に特化した本です。
文章も気恥ずかしくなるほど乙女チックで、男が読むには抵抗感があります。
パソコンでの描画も扱っていますが、使われているマシンが今では中古店やオークションで捨て値で売られているものばかりで、時代を感じさせるのが興味深い……。
最後にこの種の教本に頼って技術を向上させようと考えている人は、多くの作家が自分の未熟さに嘆き、それを露呈しなければならないことを恥じつつも、体当りで創作に向かっていたということを肝に銘じておいてください。