必然的にやってくる意外性について
★★★★★
絵本の展開を占う上で、ボクがドキドキするのは、3番目の見開きです。
1番目の見開きは自己紹介の役割、2番目の見開きで加わる要素が方向性を示します。
それらを受ける形の3番目の見開きで、話しがダイナミックに動き始めるという、
いわば、ホップ・ステップ・ジャンプの呼吸、あるいは A+B=C という感じです。
この3番目が意外性に富んでいるほど、絵本の中へ引き込まれやすいのです。
本書でいえば、1番目はジグゾーパズルの最後のかけらを探す男の子の登場。
2番目は誕生日に買ってもらったオモチャの消防車との懐かしい再会。
その結果、3番目には読者を一気に絵本の世界へ誘い込むシーンが現れるのです。
もちろん作品によって、いろいろな展開があるので、単純にパターン化はできません。
ただ、ボクにとっては、このホップ・ステップ・ジャンプのリズムで絵本の中に入れると
とても心地よいのです。
男の子のパズル探しは、その後 ロボットが出てきたり、飛行機が出てきたりして
いつの間にか大冒険へと発展していきます。よくまとまった楽しい作品といえます。