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ビゴーが見た日本人 (講談社学術文庫 (1499))

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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貴重な記録 ★★★☆☆
外国人でしか書けなかった視点で、明治日本の風俗や生活が漫画で書かれていて、非常に面白い。ただ説明文では、著者の主観が鼻につき、何とも嫌な感じがする。
著者は「ビゴーが、西洋人的な見下した観点で書いている」と何度も説明するが、偏見と誤った歴史認識で当時の日本人を卑下しているのは、ビゴー以上に著者自身の方である。
著者の誤った想像や主観など要らぬから、純粋にビゴーのコメント訳だけを載せてくれれば良いと思う。これで減点2(実際、減点5でも良いが、ビゴーの功績を讃え3点は残したい)。
当時の日本人には見えなかった日本らしさ ★★★★☆
日清戦争を表した「漁夫の利」や日本人乗客が見捨てられるノルマントル号難破の絵など、ビゴーの名を知らずともビゴーの絵を見たことない日本人はいないのではないだろうか。

本書は幕末から明治の日本を見続けたフランス人画家ビゴーの作品の数々から人々の生活が伺えるものを選び、解説を加えたものである。
ビゴーの画家としての経歴や背景は初めて知ったのだが、日本を愛していたからこそここまで子細に観察できたのであろうし、フランス人らしいエスプリを欠くことがなかったためここまで人々の目を引きつける作品を残せたのであろう。そう考えるとビゴーの風刺画は日本とフランスの絶妙なハーモニーの産物ともいえよう。

当時の日本人には見えなかったもの、当たり前すぎて目にとまらなかったものをビゴーは多く描いている。時代の流れを経てまったく感覚が変わってしまった後世の我々にとっては外国人としてのビゴーの目と同じような感覚で当時の社会を眺めているのだろう。当たり前の風物が興味深い。インサイダーであった日本人には捉えきれなかった日本を描いたアウトサイダーのビゴーに感謝である。
日本人の姿 ★★★★☆
 1981年に中央公論社から出た『絵で書いた日本人論−ジョルジュ・ビゴーの世界』の改題・文庫化。文章は若干の手直しをしたというが、絵の入れ替え等はなし。
 著者はビゴー研究の第一人者として知られる人物。ほかにも多数の著作がある。
 本書は、膨大なビゴーの作品から100点を選び出し、解題・説明を行ったもの。主として当時の日本人の姿を赤裸々に描いたものが取り上げられている。
 一見すると醜く、いやらしく描かれているため、拒否反応を起こす人もいるかも知れない。しかし、その根底には、人間的な温かみ、率直な批判、現実の日本人の姿があらわれており、非常に印象深い本となっている。
 清水氏の解説には、やや疑問の残る部分も。ビゴーに肩入れしすぎているし、歴史的説明もちょっと。また、必要以上に現代の日本の学界や社会の批判を行っているように感じた。
日本人が眼鏡で出っ歯な理由 ★★★★☆
ビゴーは学校の教科書にも出てくる有名な「ノルマントン号事件」や「猿真似」の絵を描いた画家。本書にはビゴーの描いた100点の絵が収録されています。
教科書に載っているような風刺画だけではなく、明治時代の日本人を描いたものも多く、当時の日本人の風俗を知ることができてとても興味深く読ませてもらいました。
日本人が眼鏡をかけているのは行灯のような暗い明かりの下で作業をしていたから、眼鏡が入ってくるとみんなこぞって眼鏡をかけた、ということや、出っ歯なのは栄養状態が悪かったためである、など日本人のイメージが固まっていく理由となった事柄も説明されていて、非常に面白かったです。
今も昔も日本人 ★★★★☆
フランス人画家 ジョルジュ・フェルディナン・ビゴー(1860~1927)の 絵は、たいていの人が一度は見たことがあるのではないでしょうか。「あぁ、あの歴史の教科書に出てくるやつね。」と、思われることでしょう。

 有名な、『漁夫の利』、『猿まね』、等は私も見たことがありましたし、それらをもって、ビゴーは政治風刺画家であったと思っていました。

 しかし、この本でも紹介されているように、ビゴーは政治風刺だけでなく、17年間の日本での生活を通して多くの庶民の生活を描いた作品を残しているのです。それらは温かみを持って描かれたものもあれば、辛辣な諷刺のものもありますが、著者はそれらを当時の日本を伝える非常に貴重な資料であるとして、100点の作品を紹介しています。

 外国人であったからこそ描き得た日本の姿、自分たちでは気付かない「おかしな」日本人!の行動。この本を通して作者が語りたいのは、決して過ぎ去った明治日本の懐古ではなく、現代の日本にも多分にこうした要素が残っているということではないかと思います。世界が「近く」なっている現代において、日本人とは何か、ということを考える重要なきっかけとなる本ではないでしょうか。