実際は2冊に分かれていて有名な孤島でのサバイバル経験は上巻のThe Life and strange Surprizing adventures of Robinson Crusoeにある。
下巻(The farther adventures of Robinson Crusoe)はもう島のことなんて放って置いて、53歳にしてイギリスに帰ってお金持ちになったクルーソーが7年の平穏な生活の後、妻の死をきっかけに、ヴァージニアから東インド諸島(例の島にはちょっとだけ寄った)、アフリカからインド、中国はては日本人とも商売をして陸路モンゴル人たちに悩まされながらロシア経由でロンドンに帰ってくる話。
途中船に捨てられたり、海賊と間違えられて追いかけられているくせに、結構楽しそうで、お茶やアヘンやダイアモンドやスパイス、果ては豹の毛皮なんかで儲けるけている。
ここでもこの旅で三千なにがしかのポンドを儲けたと最後に書いてある。bookkeepingは大事だということか。
人種差別的な発言にはムカムカするし、上巻に比べると格段にお説教臭い。中盤から後半はかなり読むのが大変なくらい冗長。それでも読了することができた。
<心に残った言葉など>
苦悩の中にあってなお苦悩するのは
それこそ苦悩を倍増させる道である
最高の人生の知恵というものは、生活状況に応じるように自分の気持ちを鎮めることにある。外面ではどんなひどい罵詈嘲笑の重圧を受けようとも、内面では平成を保つことにある。
(略)呼吸する空気、生命を維持するための食べ物、体を温める衣類、健康を保つための運動の自由、こういったものが、自分の意見に寄れば、この世の世界が我々に供与しうるすべてである。