一方、ロアルド・ダ-ルの愛読者である私の息子はこれはまさしく子どもの物語だと思っている。おそらく親のことを透明人間にしてしまいたいと思っているのだろう。そして、大人の世界にちょっと憧れと反発を感じているようである。
大人は子どもだった頃のワンダーランドを思い出すことで自分自身の「生」を反芻し、子どもは自分を反映する不思議なお話を通して、長いトンネルの先にある大人の世界を垣間見る。この物語は大人と子どもをつなぐ優しい架け橋である。大人用と子ども用の、別々の訳と装丁を是非お願いしたい。本棚の片隅にずっと置いておきたい1冊である。
これはイアンの初めての児童文学らしいが、とてもそうは思えない。
本当は絵本としてイギリス・アメリカでは出版されたとか。
是非、自分に子供ができて、大きくなったらこの本を読んで聞かせたい。(と2年前に思ったのだが、今は男の子が生まれて8ヶ月になる。楽しみだ。)
マキューアンの大人向け小説「時間のなかの子供」をよく理解したい人は、まずピーターの冒険をしっかり味わっておきましょう。
マキューアンの大人向け小説「時間のなかの子供」をよく理解したい人は、まずピーターの冒険をしっかり味わっておきましょう。