ドラッグデリベリ(DD)の難しさ
★★★★★
筆者はドラッグデリベリの研究者らしい。
通俗医学書などでは、患部に薬を命中させるとか、ミサイル攻撃などの比喩が多用されているがそれが如何に良い加減な表現であるか良くわかる。
長い進化の過程で積み上げられている身体の生命維持、防衛システムと如何に折り合いをつけてDDをするかが良く理解できる。
多くの新薬が、試験管テストでは成功しても、生体では失敗する理由が良くわかる。
高校教育にも有効。薬の好きな人は必読。
読み物としては、、、
★★★☆☆
動態薬理学に関する大衆向けの本である。わかりやすく書かれている。内容が多岐にわたっているために、ひとつひとつの内容をもう少しつっこんで解説して欲しかった。それと、薬の開発秘話などがもう少しあれば、読み物として面白いかったのではないかと思う。
MRさんの説明への理解が深まる
★★★★☆
薬についての本ですが,その体内動態に話題を絞ってわかりやすく書かれています.それはすなわち,製薬メーカーが薬の開発研究をするときに,どんなことに気をつかっているかにも通じることだと分かります.これを読むまで1日1回の薬はそういう性質を持った薬剤がたまたまできたんだろうかとしか思ってなかったのですが,実は長時間持続して作用させるために,体の中の邪魔者をどうやって通り抜けるか,または利用するかを細かに考えられているのだと理解しました.説明に来るMRさんとの会話も1段深いところでできるようになります.(薬学の勉強をちゃんとやっていたら分かっていたことかもしれませんが)
日本発の画期的な技術も紹介され,これから出てくる新薬が楽しみになりました.