●幼さ:周囲の人たちを勝手な想像で「結婚」へと結びつけようとし
●わがまま:おもいやるべき友人の「気品・教養」に反感を持ち
●浅薄:本気でない男の愛情に応えるそぶりをし
●短慮:貧しいオールドミスの陳腐なおしゃべりを侮辱してしまう
しかし作者のジェーン・オ-スティンはそんな「エマ」が好きだと語っています。
ナイトリーの心からの愛情によって、エマは理想の高さを理解し、
彼の叱責に耐え、自らを大人として成長させていきます。
読者がエマの失敗や屈辱を一緒に体験し、最後には愛の告白を受けるとき、
エマの成長を作者と一緒に味わうことができます。
マンスフィールド・パークのファニーが忍苦の末に手した幸せに比べると、エマをいささか軽っぽく感じてしまいますが、愛する男性と共に歩む生涯、その幸せの質は変わらないと思いました。
描かれている田園生活の美しさ、豊かさが素晴らしいです。一度でいいから「エマ」のような生活がしてみたいです。(^^;)
それを考慮してもミスターナイトリーは必見です!映画ではジェレミー・ノーザム氏がやっていましたがなかなかかっこよかったですよ。
しかし、一人の男を除いて、彼女も周りの人間も気付いていない
彼女の欠点がある。それは己を知る事、人は他人の力で動かせないこと。
人というのはそう単純でない事をわからず、自分の思い通りに
動かす事ができると思い込んでいるエマは人の恋愛まで思い通りに
しようとしている。
それが、小さな村で起こるありがちな出来事により
彼女は気付かされていく。
そして、自分の恋愛は自分が動かなければどうにも
ならないことを教えられるのだ。
誰の周りでも起きそうな身近な出来事を通じて
普遍な人間の「己を知る事ができない」というテーマについて
オースティンはおもしろおかしく描いている。