日本の森林について学ぶ人の必読書
★★★★★
この本で述べられているのは江戸時代までの日本の森林利用の歴史であり、現在の日本の森林問題に直接的に関わる本ではありません。しかし、日本の森林資源がどのように利用され、荒らされ、保護されてきたのかという、波乱万丈(?)の森林利用史を概観することができます。
また、日本の高い森林率が維持される理由や、日本の森林問題が容易に解決されない理由等についても、本書から推察できることがあるように思います。
森林問題に興味のある方には必読の書です。
森林から見た日本の歴史
★★★★☆
自然環境・経済・政治がバランスよく書かれています。森林という切り口で日本の歴史をおいかけるのもなかなか楽しいです。特に豊臣秀吉や徳川家康を森林資源の観点から見ることは新鮮でした。
内容がどこまで適切なのか素人の私には判断が付かないですが、外国人が書いているためか安易な海外との比較やいわゆる「日本人論」に走ることなく淡々と書かれていて好感が持てます。
明治以降の森林・林業の歴史は扱っていないので現在の森林・林業を巡る課題について直接役に立つわけではないのですが、歴史をきちんとおさえておくことで間接的に役に立つと感じました。
ただ、原題が「The Green Archipelago|Forestry in Preindustrial Japan」(緑の列島、産業化以前の日本の森林)なのに「日本人はどのように森をつくってきたのか」というのは訳が情緒的だと思います。
昔々の森の話。
★★★☆☆
明治維新前,つまり江戸時代までの日本の森林利用について書かれた
「森から見た日本史」といったところだろうか。
文中の用語の表現などに,新鮮に感じる箇所があるのは
アメリカ人である原著者が,「外から見た」歴史書だからであろうか。