大人になったらまた会いに来て
★★★★★
おしゃべりな夢見る少女アンも、この巻では三十代後半、
7才を頭に6人のかわいいこどもに恵まれて、
村のお医者さんとして多忙なギルバートを支えて
毎日があわただしく過ぎていきます。
空想の世界に遊ぶ自分の時間はほんのわずかになってしまいました。
若かりしころ夢中で読んだアンブックスでしたが、
この辺りまでくると、やや退屈な気がしてだいぶとばし読みしてました。
でも、アンと同じような年頃・境涯となった今、久々に頁を開いてみたら
あのころにはなかった感慨がわいてきて、とても味わい深い巻となっていました。
今でいえばカリスマ主婦のようなアンですが、本人のエピソードは少なく、
それもどちらかというと悩んだり苦しんだり、といったものばかりです。
でも、それを持ち前の前向きな姿勢でなんとか乗り切ってゆきますし、
とりわけこどもたちとのエピソードは、こどもの気持ちもていねいに描写されているし
常に愛情深くこどもを見守るアンの姿勢には見習うべきものがたくさんありました。
アンとともに育ったかたもはもちろん、大人になってはじめてアンに出会うかたでも
楽しめる一冊だと思います。