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終着の浜辺 (創元SF文庫)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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原爆ドーム=未来記憶 ★★★★★
「終着の浜辺」には原爆ドームが登場します
原爆ドームを見ると戦慄が走ります
なぜでしょうか
これは未来の世界を予言しているからだと言われています
記憶には二種類あって未来記憶と過去記憶です
単に記憶というときは過去記憶をさします
我々にはこれから起こる未来の記憶を持っているという仮説があります
原爆ドームは恐ろしい未来を思い出させるのです
原爆ドーム=未来記憶
凄味のある終末観 ★★★★★
すべて1960年代初頭に発表された、9篇の短編集。
どの作品にも、独特の終末観が漂っていて、読者の内面を深くえぐる。
独特な空気に酔える作品集であるが、著者の最近の作品と、本質的なスタンスの差異は無い。

収録されている1963年発表の「識閾下の人間像」は、ある意味で興味深い。
この時点での、資本主義工業国の近未来を、サブリミナル効果と組み合わせて予測している。
それによると、労働時間は長くなり、テレビは4台必要で、車は2ヶ月毎にモデルチェンジするという。
はたして、そのとうりになったか?と言えば、そうではないが、内容には説得力がある。

近年の著者の作品は、倒錯度に磨きがかかり、内容がより壊滅的になっている。
比較すると、本書の頃の著者の作品の倒錯度は、徹底はしていないが、一字一句を読むのが楽しい。

本文庫は、当時の文庫本特有の文字の小ささと、版を重ねた事による、一部の活字の潰れもあるにはある。
しかし、本書の内容の充実度に比べれば、何ら問題ではない。

何度も、繰り返し読みたくなる作品集だ。
クールな。。。とてもクールな。 ★★★★★
 未来学というのはSFではないが、SFが全く未来学と関係ないということではない。とくにバラードを中心とするハードSFでは、統計と確率を無意識に駆使しながら実現の可能性が高い未来を描いている。

 こういうSFは情緒的に書くとどうにもならないくらいにウソ臭くなる。未来SFの始祖ガーンズバックの「ラルフ124C41+」は「こうなったら楽しいな」SFで、登場するアイテムはかなりの確率ですてに実現までしているが発表当時から僕が始めて読んだ70年代中期までは「全く荒唐無稽な空想」の域を出ていなかった。

 ところがバラードはこうした情緒的空想性をソリッドで冷ややかな文体に起こすことで実現可能性を限りなく示唆することができたのである。クールだ。「こうなったらいいのにな」と「こうなるだろう」と「こうなることはわかっている」は同じ未来にある世界だが、実現可能性の説得力が異なる。バラードは歳を追う毎に「確実にこうなります」というSFを書いている。近作の「殺す!」や「シュペール・カンヌ」「楽園への疾走」は事実、実際に近似的事件が起こった。

 未来を正確に読み取るのは不可能だけど、限りなく正確性を有した実現可能性を抽出することは可能なのだ。それは、客観性、敢えてクールネスと言おう、を信条とすれば出来る。そのクールネスの世界ではJ.Gバラードを超える者はまだ現れていない。