夫々の発見
★★★★☆
詩は原書で読むべきだと思う。当然、言葉そのもののニュアンスは訳されることによってズレてしまうどころか、全く異なるものを生み出しかねないからだ。しかし、ときに原書ゆえに手の届かないものになってしまう場合もある。オリジナルのニュアンスがゆえに、理解されにくいという問題があるならば、この本はその問題を解消するに有効だといえる。描写的でありながらも心象的なヒーニーの詩の本質を探す手がかりとなり得るのがこの全詩集であると思う。全詩集ということで読み応えもあると同時に何かしら必ず読み手夫々に発見をもたらしてくれると思う。