ハミング距離は、２つの符号の異なる成分の数であることは、他の文献で分かりました。
しかし、ハミング距離が、どういう役割を果たすか、何に使うかが、いま一歩分かりませんでした。

本書では、ハミング重みについて紹介しており、２つの符号の和のハミング重みに等しいことを示している。
符号語のハミング重みは、０ベクトルからのハミング距離に等しいことをしめしている。

符号語の設計と、誤り訂正の設計との両方を考えることが必要であることがわかった。

ほかにも、信号とスペクトル、フォーマット変換とベースバンド変調、ベースバンド復調・検波、帯域系における変復調方式、通信回路設計、チャンネル符号化、符号化と変調のトレードオフ、同期方式、多重化と多元接続、スペクトル拡散技術、情報源符号化、暗号化と複合、ふぇー人具チャネルが体系的に記述している。

フーリエ変換の基礎、統計的手法に基づく判定理論、相関器に対する白色雑音の応答、よく用いられる公式、ディジタルフィルタなどの付録もある。

ディジタル通信の概要を理解できるようになりたくて、数冊の関連書を購入し、手元に置いて較べたが、電気通信関係の初心者の私にはこの本がベストである。1000頁あるが、さすがアメリカの入門用テキスト、非常に読みやすい。翻訳もまあ、それなりのレベルなので充分読める。ただ、ページ数削減のためか、原書の記述をかなりはしょって意訳した箇所が多々存在するので星４つにした。---形容詞や副詞が係っている箇所が削られている。そのため文章が非常にあいまいになっている。　音楽に例えると、元が32ビットのCDがリッピングで16ビットに落とされたみたいなもの。メロディはまあ聞き取れる、しかし、細やかな表現や、曲の始まりや終わりの部分がノイズに埋もれている。