それら、高く高く伸ばされた柱について、それぞれどのように収拾をつけるのだろうか、と興味深く見ていたのだが、著者は予想もつかない手法に出た。一本では立ち続けることがおぼつかなくなるほど伸びた柱を、その上部で融合させ始めたのである。
本書では、その手始めとして、「激変惑星論」の柱と「初期キリスト者」の柱の溶接が行われた。おそらく今後数冊をかけて、この融合も強化されていくだろう。
最終的には、飛鳥は自ら立てた全ての柱を統合し、一つの大きな柱に仕上げることだろう。すべての作業が終わったときに、NPAシリーズは単発の作品ではなく、一つの大きな世界観を著述した作品となる。
その端緒となる一冊。より楽しむには過去のNPAシリーズを発行順に呼んでおくことが必要か。