最初の方では言語学の専門用語などもでてきて難しそうだが、難しい理論展開といったものではなく、筆者も含め、一般人に理解しやすい内容。また、興味のある部分だけを拾い読みすることもできる。大量の例文が出てくるが、いちいち訳はついていないのである程度英語に習熟した人向け(高校レベルなら OK?)。
例えば未来進行形の用法(のごく一部)として次の様な例文と解説が挙げられている:
『「通常の経過」の含意がはっきりしない場合、未来進行形は、純粋未来を表すだけである…(中略)…
(a) Goodbye. Will you be coming back to England next year?
(b) Goodbye. Will you come back to England next year?
(a) の文は、情報を聞き出す疑問文としてしか理解されない。すなわち話し手は聞き手の翌年の計画について失礼にならない様に聞いているのである。これに対し (b) の文は「来年戻ってくるつもりがあるか?」という意味に解される可能性があり、聞き手に圧力を加えることにもなりかねない。したがって (a) は (b) よりも気配りがきいているといえるのである』
こういった解説がぎっしり詰まっており、本当に参考になる。教授者必携などとエディターレビューにあるが、むしろ学習者が真に知る必要がある部分が書かれている様に思う。