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別れを告げに来た男 (新潮文庫 フ 13-2)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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いまだに思いだす。 ★★★★★
 これを読んでから、あまりフリーマントルを読まなくなったように思う。これ以上のものはもう出ないだろうと思ったからですが。読んだのはもう20年以上も前になるかと思います。その良さを考えてみると訳文がすばらしいといえます。文章が非常にリリカルというか余韻のある訳文です。
訳者は中村能三(よしみと読む)で、フリーマントルはこれしか訳していません。あの田中小実昌氏の師匠とか、小実昌氏はナカムラノーゾーと言っていましたが。ストーリーのすばらしさと訳文が見事にマッチした作品と言えるでしょう。
フリーマントルの最高傑作 ★★★★★
本物のハードボイルド、フリーマントルの最高傑作、チャーリー・マフィン・シリーズの源泉の1つに数え上げられる濃厚な1冊です。

人物描写、屈折した内面、ストーリーテリング、中村能三さんの雰囲気ある硬い訳文、時代背景、と、エスピオナージュとして、もはや古典の域に入るでしょう。簡単には読めませんが、近代の探偵小説はそもそもそういうもので、ディケンズやポーの流れを汲み、蘇らせたイギリスの正統派の探偵小説であると僕は固く信じています。

原題は"Goodbye to an Old Friend"。いいですよね。「別れを告げに来た男」としたのも秀逸。思わず原著を買い求めて読みましたが、英語が実に硬い。難しくはないですが、余計な描写を省いて、ずいぶん削ったなあと思わせる。その雰囲気をそのままに訳した中村さんは、さすがにその道の第一人者です。

なお、他のレビュアーの方がドッズは自殺すると紹介されていますが、ドッズは自殺しません。ドッズは梅雨の合間に薄日が差すように、友情を取り戻すはずです。これ以上はこの本の性質上、記すことができません。

女子供が手に取るような軟弱な昨今の小説では飽き足りない、日本の自称ハードボイルドにも食傷気味、007も最近のものは...という男性は、ぜひお手にとってみることをお勧めします。
想像を絶したアイデアに驚く ★★★★★
フリーマントルの最高傑作。ロシアから数ヶ月前に亡命した科学者。それを追うかのように、またロシアからの亡命科学者が。彼の目的は、先の亡命者の暗殺か、あるいは単なる亡命か ?

周囲が亡命説を押す中、数ヶ国語を操る語学の天才である捜査官ドッズは一人疑問を抱き、真相に迫って行くのだが...。

事件の進行と共に描かれるドッズの家庭生活が作品に陰影を与える。妻(=レズビアン)とは別居状態で、彼自身の内向的性格と相まって、暗い翳を落とすのだ。

亡命者は夜、目隠しされた状態で、先の亡命者が閉じ込められている場所に案内され、その場所を見ただけで帰国してしまう。ドッズの不安が的中した訳だ。しかし、どうやってその場所が特定できるというのだ ? そして最後に明かされる真相とは...。

このアイデアは想像を超えたもので脱帽させられた。亡命者が国へ帰って、複雑な感情を紛らわすかのように老妻と愛を交わすシーン、最後には自殺してしまうドッズと、ミステリ的アイデアと人物造詣の巧みさが光る傑作ミステリ。
頭の冴える本 ★★★★★
頭が冴えるというのは、この本が冴えた状態で読まないと
面白くないからである。
この作者の本は概して、そうなのだが、とくにこの本は
最初に読んだせいか、最高作品だと思っている
なぜなら、最初から1/4ぐらいまでをよめば
「結末がわかる」のだ。
でも、わからない。
なぜか?
伏線があまりにも見事なのである。

ぜひ、挑戦して欲しい見事な作品である。
ちなみに私は、最後の最後までわかりませんでした