東京の夜の見えなくもない一面
★★★★☆
まずJapan Undergroundと同じようなものを想像すると肩透かしを食いますので、地下施設などを期待している人は購入前にゆっくり検討したほうがいいです。表紙にあるような写真ばかりが目白押しというわけでもなく、むしろ一見するときれいな都心の夜景に近い写真がメインとなっています。
見開きの夕暮れからはじまり、夜の帳が下りるとさまざまな東京の表情がみえてくる。けれどそこはそれ、一枚の写真の中でもいろいろなものが対比されていて、光と影、過去と現在、無機物と有機物、残骸と発展、ジェットコースターのように表情を変えながらやがて夜明けを迎えるという構成になっていて、一晩でいろんな東京を垣間見たような気になります。妖艶な空気さえ感じる本書はやはり「買い」です。