ジャネット・ジャクソンの『Janet』は、『Thriller』以来のマイケル・ジャクソンの最高傑作である。同時に、もはや何のアルバム以来か思い出せないが、マドンナの最高傑作なのだ。何を言いたいのかって? つまり、この3人のエアロビクス・ビデオ・スターの中では、マイケルの妹であるジャネットだけが「軽快なダンス・ポップはセックス、フック、ビートが命」と悟ることができたということだ。また、いつまでも幼児期から抜け出せないマイケルや、あくまでもビジネスとしてセックス・アピールにいそしむマドンナに比べると、甘いメロディーと躍動感のあるグルーヴから性的魅力を発散させるジャネットの方がずっと信用できるということでもある。
1989年の『Rhythm Nation 1814』では、社会評論家気取りで聴く者を困惑させたジャネットだが、今回は自分の得意とする領域に戻ってきた。少女っぽさと大人の味が奇妙に入り混じった彼女の個性は、ダンス・ナンバーを身近で切実な人間関係の歌に変える。しかしそれでもなお、全27トラック、75分間におよぶ本作は、アルバムとしてうまく機能していない。水増し用のトラックが多すぎるし、曲の変わり目の小細工にもすぐに飽きがくる。しかし、キラー・シングル満載のアルバムであることは間違いない。とんでもなくセクシーな「That's the Way Love Goes」、ロック的なギターに導かれた「If」といった問答無用のチューンの他、プリンスを思わせる「This Time」、モータウン調の「Because of Love」、ため息まじりのバラード「Where Are You Now」、スタックスの見事なカバー「What'll I Do」など、将来のヒット・ナンバーがそろっている。(Geoffrey Himes, Amazon.com)
「2000万枚のセールス」を誇る! モンスター・アルバム!!!
★★★★★
1993年、Janet Jacksonの5thアルバムです。
前作「Rhythm Nation 1814」は、ダンス、エッジ、グルーヴetcといった強力なイメージでしたが、
この「Janet」では、もうちょっとリラックスして、歌心を入れた感じになっています。
女性的な曲線を思わせる「シルキー」「滑らか」「セクシー」な感じに仕上がっています。
楽曲は、どの曲も異常にクオリティーが高く、前作同様インタールードを挟んだスタイルです。
ダンスっぽい曲から、R&B風な曲、感動的なバラード、70's MOTOWN風まで、様々なタイプの楽曲が収録されています。
従来のポップ、ダンス、R&Bに、若干、新しいエッセンス(オルタナ?)を付け加えた感じがします。
グルーヴィーでセクシーなR&Bソング、tr. 2(全米1位・8週連続)
ダンス・ビートに、歪みギターがうねる、tr. 6(全米4位)
ストリングスをバックに、ソプラノ歌手・Kathleen Battleを迎えた、壮大なスケールの、tr. 8
涙無しには聴けない。。。ロマンチックで切ないバラード、tr. 19(全米1位・2週連続)
。。。などなど、異常なくらい、名曲だらけのアルバムです。
このアルバムは、「全世界で2000万枚のセールス」を誇る、モンスターアルバムです!
そして、内容は、それ以上に素晴らしい!(2000万枚なんて数字は、どーでもよくなります・笑)
「Janet Jacksonファン」は、マストCD。
「Janet Jackson初心者」「90's R&Bファン」に、オススメです。
1人でも多くの人に、聴いていただきたいです。
特に、若い女性にオススメ! 今聴いても、全然、かっちょいいです!
(中古盤・激安です。。。が、決して「使い捨て音楽」ではありません
奇跡
★★★★★
鳥肌がたつとはこういう作品のことを言うのだろう。これまで何度このアルバムを聞き返したのだろうか。奇跡に近いほどの完成度。全米1位を獲得はもちろんのこと、長期に渡って1位をキープし続けた不朽の名作(2)、Janet主演の映画"Poetic Justice"のテーマ曲でこれまた1位になった(19)、うねるビートがすさまじいグルーヴ感を生み出している(6)(最高4位)、Janetが歌うエロティシズムの全てが詰まった(25)(最高2位)、全米トップ10に輝く超キャッチーなポップR&B(17)、硬質なビートとメロディアスな曲調とが最高のレベルで結びついた、これまた全米トップ10を記録した(4)。アメリカでシングルカットされた曲を並べただけでもこの密度。その他ヨーロッパでは(10)(11)、そして(27)の後に続くシークレットトラックまでもがシングルカットされた。何たるモンスターアルバム。しかしこれだけカットされても全てが素晴らしいクオリティを保っていることがこのアルバムの全てを物語っている。(10)なんかもハウスビートとR&Bとが結びついた踊らずにはいられない曲に仕上がっているし、(15)の音の分厚さったらない。(21)もメロディーラインが素晴らしく言うことないし、もう語りつくせないほどの宝石がこのアルバムには詰まっている。ただただ耳を傾けるのみ。