2006年3月、テレビ朝日系で放映されたスペシャルドラマのDVD。主演はSMAP・草ナギ剛と広末涼子。原作は、1963年に出版されベストセラーとなった同名の往復書簡集(大島みち子・河崎実著)で、ふたりが交わした400通にも及ぶ手紙に込められた切なく純粋な愛の物語を、犬童一心監督が繊細に描き出している。透明感あふれる広末の“ミコ”と、誠実で温かな草ナギの“マコ”は、作品の世界にこの上なくふさわしく、ただひたすらに愛し合うことの喜びや悲しみを痛切に訴えかけてくる。骨肉種という不治の病に冒されたミコ(広末涼子)は、病院で出合ったマコ(草ナギ剛)と文通を始める。だが、無垢な愛を育むふたりを、過酷な運命が引き裂いてゆく…。(みきーる)
記憶に残る作品
★★★★★
2006年にテレビでこのスペシャルドラマがオンエアーされるまでは、原作本がベストセラーになったことすら
全く知りませんでした。私が生まれたのは、主人公でもある大島みち子さんが若くしてこの世を去った翌年で
あり、原作本が出版された頃、私はまだ幼い子供だったからです。
それから約40年の時を経て、テレビで2週にわたって放送されたドラマを見たわけですが、お互い障害を乗り
越えながら愛を育んでいく姿が新鮮に描かれていて、とても印象的なドラマでした。当時はまだビデオデッキ
しか持っておらず、番組を録画しないままだったのですが、もう一度見てみたいと思い、このDVDを購入しま
した。
草なぎ剛もさることながら、大島みち子を演じる広末涼子の熱演には、彼女の女優としての奥深さとその資質の
高さを改めて感じました。
まさに名作といっていいでしょう。
犬童監督と広末さんとの次回作が楽しみ
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ネットでたまたま見つけたのですが、たいへん良い作品だと思いDVDを購入しました。
広末涼子さんの演技には感心しました。播州弁もお上手です。この作品を契機に彼女の作品を渉猟しましたが、他の作品でも身体障害者や非行少女の役を器用に演じ、方言や外国語を難なくこなしています。これまで彼女の非凡な才能に気づいていなかったことが悔やまれます。
また未公開シーン集は楽しくみせていただきましたが、これらの部分を加えると少々説明過剰になります。本編は上手に切っていると思います。
再びコンビを組む犬童監督と広末さんとの次回作「ゼロの焦点」は本作同様に昭和の時代背景を持っています。描き方にも共通点がありそうで楽しみです。
長編ドラマの傑作!
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草なぎ剛の凛とした強さの演技と広末涼子の素晴らしい透明感のある演技のコラボレーション!
自分の運命を受け入れるまでの葛藤、エゴイズムがリアルに描かれています。犬童監督がこだわり抜いた映像が昭和のテイストを思いださせてくれる秀作☆
壮絶な愛の記録
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このドラマの原作を書いた河野実さんの行動は、正しいと思う。人間は、忘却ということから逃れられることはできない。河野さんが二人で交わした手紙を本にしたのは、ミコという、素晴らしい女性が確かに存在したことを、ミコへの愛が薄れないうちに、心の中でミコが生き生きとしているうちに、多くの人に知ってもらいたかったからだと思う。
このドラマでは、手紙からの情報だけでなく、ミコ、即ち大島みち子さんが残された日記からの情報もふんだんに盛り込まれており、そのため写実性が極めて強く、単なるフィクションなど及びもしない壮絶な愛が、これでもか!というほど繰り広げられている。
ミコとマコの男女の愛、ミコと家族の家族愛、マコと友人の友人愛と、慢性的な愛欠乏症にある人間社会に対して、これほどの愛を示した映画やドラマを私は知らない。人間が求めても得がたい愛を、実話として、そして人間の生きかたの見本として示したのだから、43年前の実話といえど、色褪せることなど無いに決まっている。
白黒映画で吉永小百合がミコ役をつとめた映画もあるが、4時間に亘って描ききったこの作品のほうが、より原作に近く、その迫力も桁違いだ。
このドラマや原作本を非難する人もいるようだが、そういう人は、ただ単にミコとマコに嫉妬しているだけではないだろうか。もし私がマコの立場なら、絶対に同じことをしたと思う。ミコのような純粋で前向きで、あらゆる意味で理想と思える女性と奇跡的に出会い、愛したのなら、その存在を独占せず、広く後世に伝えたいと考えるのは、自然なことだ。人間の生きる力とは結局は愛なのだなと再認識させてくれる、ドラマの金字塔的存在であると思う。
DVD見ました
★★★★★
当然のごとく、放送時にカットされた部分を先に見たわけですが、どれも良くて、あらためてもったいなあと思いました。
スペシャルドラマというのは、だいたい再放送されないことが多いみたいですね。そんな中で、こうしてDVDとして発売されるというのは素晴らしいことだとは思いますが、それだけで終わるのは、やはりもったいない。
何年か先にでも、深夜枠等で一挙放送みたいなのはできないものなのかなあ。