本ベストアルバムは、このシンガーソングライター/プロデューサーのロマンスやリズムの手腕の証明といえる。このCDの特長は、フェイスが自分のために作った曲だけが入っていることだ。彼が他のアーティストに渡した曲を集めて決定版を作れば、それはボックスセットになるだろう。刺激的な「Whip Appeal」からやるせない「Every Time I Close My Eyes」、落ち着いた感じの「When Will I See You」(R&B最初のアコースティック・パワー・バラードと言ってもさしつかえなかろう)まで、このCDには彼のソロ作品が収録されている。新曲2曲と、グラミー賞受賞曲「Change to the World」のライヴ・ヴァージョンを含む全14曲は、感情を思いきりこめてメロディのニュアンスを追究することが、創作上の革命的行為だったR&Bのひとつの時代を要約している。
確かに、彼は言われるとおり感傷的かもしれない。だが、このCDに証明されるように、ベビーフェイスが当時も今も変わらず優しく、説得力ある数々のいい歌を作ったことは間違いない。(Amy Linden, Amazon.com)