隼1型のプラモを作るための一冊
★★★★★
ニュージーランド南島ワナカのアルパイン・ファイター・コレクション所蔵(現在はないそうです)の1型と、米国オシュコシュのEAA自作航空機協会博物館所蔵の2型の、鮮明なカラー写真中心の構成です。特に1型は飛行可能な状態にまで復元された(安全のため実際は滑走だけ)こだわりの逸品で、ハ25エンジンやコクピット、内部構造まで可能な限りオリジナルを尊重して再現されており、それらの細部写真は実機の研究やプラモ作りに役立ちます。2型は推力式集合排気管装備の2型乙で、後期型らしい丸みを帯びたカウリング形状などが良く分かりますが、1型部品が入り混じった残念な状態です。あとは隼ファンには馴染みの深い、大戦中の写真を少しだけ掲載。とにかく1型のプラモを作りたい方には、絶対お薦めの一冊です。
写真解説は野原茂氏(1型の写真撮影も)。大きくて見やすいイラストで、1型〜3型の機首形状の変化、風防や計器盤の違い、増槽の懸吊要領などを図解。巻末の各型変遷図は1/48と1/72スケールで、塗装解説は各色のFSナンバー(氏の推定)も併記されています。