アーティスト、マイケル・ジャクソンができるまで
★★★★☆
アフロのマイケル少年が表紙を飾っています。しかしアイドルではなくアーティストの面構え。初々しさのなかにも強い自信と野心すら感じられる、素晴らしいポートレートです。この写真のイメージそのままの記事を、ジャクソン5やマイケルに造詣が深いことでも知られる音楽評論家、吉岡正晴さんが書いています。この記事に添えられたジャクソン5、ジャクソンズ、マイケルの写真(多くはモノクロ)も他誌とはひと味違い、クールです。
Thriller成功に至るまで、マイケルがどのような環境でアーティストとして成長してきたのか。ジャクソン5の結成からモータウンを経てCBS/エピックへ。ジャクソン一家の成功と格闘の物語は、マイケル没後の雑誌追悼企画や本などで知られるようになりました。この記事では特に、マイケルがアーティストとしてどのような経験を積み、強い意志と行動で才能を開花させていったのかに重点が置かれています。
クインシー・ジョーンズプロデュースによる第一作Off The Wallが、アーティスト・マイケルの出発点と言われることが多いと思います。しかし吉岡さんによれば、マイケルはジャクソンズのアルバムDestinyで、曲だけでなく孔雀のジャケットデザインも含めてアート作品として作り込むようになっていました。Off The Wallでソングライターとして才能が開花し成功をおさめても、グラミー賞制覇のためにさらなる高みを目指すマイケル。「仕事に入ると僕は大変な自信家になる。僕は文字通りソウルをそこに吹き込む。そのためなら死んでもかまわない。それが僕なんだ」――そしてあのThrillerの成功を現実のものにします。表紙の少年マイケルのスピリットを肌で感じられるような読み応えのある記事でした。他にもジャクソン5やマイケルのシングル日本盤のジャケット一覧や紹介記事があります。
Wax Poetics Japanは初めて手にとりましたが、写真やレイアウトなどのセンスが抜群で、記事も翻訳と書き下ろしがバランスよく配され読み応えがあります。