ロースクール生による貴重な取り組みの成果
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法教育関係の書籍は最近いろいろと出版されておりますが,そのなかでもこの書籍は面白くためになる一冊ではないかと思います。
本書では東京大学法科大学院のロースクール生が2004年度から「出張教室」として実施してきた数多くの法教育授業例のなかから9つの授業例が紹介されておりますが,いずれの授業においてもテーマ選択,授業の切り口,様々な資料の提示の仕方など大変工夫されています。
「法教育」には,ともすれば法律に重きを置き,あるいは,法律的説明の正確性にこだわるあまりミニ法律教育となってしまう傾向もある(特に学校教育の場における法教育)ように思いますが,本書のバランス感覚(法律とそれを離れたより大きな考え方とのバランス)は大変優れていると思いました。
これから「法教育」を実践しようとする方,これまで「法教育」にかかわってきた方にとって大変参考になるものと思われます。