専門用語を極力使わず、
哺乳類の生態（主に食性）と頭骨のつくりのかかわりを
わかりやすく解説。
骨フェチにとって、目新しい内容はあまりありませんが、
軽妙な語り口で、あっという間に読めてしまいます。
白黒ながら、写真の提示も適切。
中学校の理科授業で悩める先生にもおすすめ。
頭骨標本収集の顛末も各所で触れられ楽しいです。

頭骨メインの本なので専門用語も比較的少なく写真と説明もしっかりとついているので初心者には大変読みやすいものではないかと思います。
白黒ではありますが多種の頭骨の写真が載っておりイヌ・ネコ・タヌキなど容易に生体の姿を想像できるものも多いです。
読んで損は無いと思う。大変面白く勉強になります。
巻末には簡単な頭骨標本の作り方も書かれているので骨・骨学に興味のある方は是非！

　文字を使って物事を記し表現することのできる人間とはちがい、動物たちは“自らを物語る”すべをもたない・・・かのように見える。
「頭骨」など所詮、気味の悪い単なる“死骸”にすぎない―　もしもあなたがそう思うならば、一度この本を通じて、著者とともに“頭骨仕事“を追体験してみるとよい。
　
　この死んだ動物たちの「頭骨」に刻まれているのは、著者の仕事を通して語られる、生きた彼らの物語なのである。
さらに本著の分かりやすい解説のおかげで、動物たちの各々の生きざまが、いかに自然史に裏打ちされ展開されているのかを感得することもできる。

　段ボールに収められた「頭骨」の珠玉のような彼らの物語が、著者による独特のタッチで活き活きと語られている。