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ティファニーで朝食を

価格: ¥7,592
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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あとがきから読み始めるのをお勧めします ★★★★★
20年以上前に読んだ時の記憶が役立たない、全く新しく魅力的な「ティファニーで朝食を」です。
この本には標題作以外に「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」の短編三作が収まっています。
そして村上春樹さんの「『ティファニーで朝食を』時代のトルーマン・カポーティ」と題されたあとがき。
この、あとがきからお読みになるのが良いと思います。
村上春樹さんは、読者を良くご存知ですね。
「ティファニーで朝食を」の主人公ホリー・ゴライトリーは、条件反射のようにオードリー・ヘップバーンを頭に浮かべてしまいます。
あの映画のファースト・シーンは、映画のための演出ですが、ヘップバーンがあまりにも美しく、ムーンリバーがあまりにも切なかったので、いつしか映画が原作に取って代わっています。
トルーマン・カポーティは、ヘップバーンの出演を必ずしも喜んでいたわけではありません。
村上春樹さんは、カポーティの意図を汲んで、読み手がヘップバーン以外のホリーを想像しながら読んでみては、と難しくも新鮮な提案をされています。
村上春樹さんと一緒に、トルーマン・カポーティの文学を楽しんでいるような気分になる文章です。
あとがきから読み始めるのをお勧めします。
オードリーもティファニーも苦手と思っていたあなたに読んでほしい ★★★★★
-でももしそうなっても、私はなおかつ自分のエゴをしっかり引き連れていたいわけ。いつの日か目が覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの-

「ティファニーで朝食を」といえば、オードリー・ヘップバーンの映画。
「オードリー・ヘップバーンってあんまり興味がない」
「Tiffanyってたてづめのダイヤリングのイメージが強すぎるし、いまいち興味なし」
「カポーティーの小説は好きだけど有名すぎて敬遠しちゃう」
・・・なんていうあなた!

これはやっぱり名作!

特に、この村上春樹の訳はカポーティーの他の人の訳による作品より上品、というか控えめな感じがすごくよいです。

I love this! 10代の女の子に絶対読んでもらいたい。
タイトルは同じでもそれぞれによい別の作品です ★★★★☆
 ティファニ―で朝食を読むと、夜はやさし(フィッツジェラルド)のローズマリー
を思い出す。ホリーとローズマリーはまったく別の人格であり、まったく異なる世界で
まったく異なる人生を歩むが、彼女達にはある共通した記号(役割)を感じる。

 ティファニーで朝食は映画でも有名で、実際に映画を見たことはなくてもタイトル
は知っているとか、 オードリー・ヘプバーンの愛くるしい姿を思い浮かべられる方も
多いと思う。映画は映画として素晴らしい。そして、小説には小説として別の世界観
がある。

 小説の中でホリーはもちろん重要な役割を果たしているが、それは物語全体を構成
するための柱の1つに見える。逆に言えば、ホリー以外の登場人物ひとりひとりが
それぞれに大役割を持ち、互いに支え合う柱となりこの頑丈な物語を構成している。
それはまるで何百年も前に建てられた木組みの社のようでもある。細部まで計算され、
一分の隙間もない頑丈な社。

 映画は映画として素晴らしい。そして、小説は小説として素晴らしい。
 是非、まったく別のものとして、それぞれに楽しんで頂きたい一冊です。 
映画とは違う小説の魅力 ★★★★☆
映画ではヒロインのホリーはオードリー・ヘップバーンが演じているが、
これは原作に出てくるホリーとは別物と考えていいだろう。
明らかに印象が違う。
と同時に、今再び映画化されるとしたら誰ならホリーを演じることができるだろうかと考えてしまう。

翻訳者の村上春樹は解説において、カポーティの文体を絶賛していたが、
今度は原文で読んだみたいと思った。
原文を読むと翻訳のすばらしさが、よりわかりますよ ★★★★★
 映画で有名です。村上さんも「映画は映画としておもしろかった…だから映画と比較してとやかく言うのはもうやめよう」と書いているので、そのあたりはノーコメントです。

村上訳はカポーティの雰囲気をうまくだしてすばらしいです。原文に忠実な訳で、作者へのレスペクトを感じます。

例として、一文を原文と村上訳であげてみます。

I went out into the hall and leaned over the banister, just enough to see without being seen.
僕は廊下に出て、手すりから身を乗り出すようにして下をのぞいた。こちらの姿は見えないようにして。

She was still on the stairs, now she reached the landing, and the ragbag colors of her boy's hair, tawny streaks, strands of albino-blond and yellow, caught the hall light.
彼女は階段を上って、踊り場に近づいているところだった。男の子のような髪には様々な色が混じり合っていた。黄褐色の筋があり、白子のようなブロンドと黄色の混じった房があり、それらが廊下の明かりを受けて光っていた。

It was a warm evening, nearly summer, and she wore a slim cool black dress, black sandals, a pearl choker.
ほとんど夏のような暖かな夜で、彼女はほっそりとしたクールな黒いドレスに、黒いサンダルをはき、真珠の小さなネックレスをつけていた。

For all her chic thinness, she had an almost breakfast-cereal air of health, a soap and lemon cleanness, a rough pink darkening in the cheeks.
その身体はいかにも上品に細かったものの、彼女には朝食用のシリアルを思わせるような健康な雰囲気があり、石鹸やレモンの清潔さがあった。両方の頬には飾り気のないピンクの色が濃く差していた。

Her mouth was large, her nose upturned.
口は大きく、鼻は上を向いていた。

A pair of dark glasses blotted out her eyes.
両目はサングラスで隠されて見えない。

It was a face beyond childhood, yet this side of belonging to a woman.
子供時代は過ぎていたが、まだ女にはなりきっていない顔だ。

I thought her anywhere between sixteen and thirty; as it turned out, she was shy two months of her nineteenth birthday).
十六歳から三十歳のどの年齢と言われても不思議ではない。後日わかったことだが、彼女はあと二ヵ月で十九歳の誕生日を迎えるところだった。


あと、あまり関係ないですけど、新潮文庫は栞があっていいですね。今はコストカットでハードカバーでも栞がない本がありますから。