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ハイブリッド証券入門―デットとエクイティとのクロスオーバー

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 金融財政事情研究会
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丁寧な入門書 ★★★☆☆
劣後のプライシングに関心があって読み始めた。ハイブリッド証券だけのことではなく,デットとエクイティとの関係を丁寧に解説しており,ファイナンス全般にテーマが及んでいる。クレジット投資全般に関するテーマも一通り触れられており,入門書としてはよいと思う。ただし,ハイブリッド証券の個々の条項については,ほとんど解説がなく,日本や欧米の発行事例の解説がいろいろと挙げられているのにやや理解がしがたい。そういう部分は別の本で補うということでしょう。
たしかに、様々な意味で”hybrid"な商品です ★★★☆☆
はたしてこれはgimmickなのでしょうか、それともinnovationなのでしょうか。これに対する明確な答えは本書の中にもありません。そしてこの商品は、投資家には固定利付きの満期ありのquasi-debtのように売られ、発行する会社には資本性の高いquasi-equityと売り込まれるという不思議な商品です。そう結婚みたいなものでしょうか?本質的な矛盾がはらむグロテスクさとその危険性は、「平時」には表面に露呈するすることは決してありません。でも平時は決して長く続かなかったというのが金融システム(結婚生活)の実態です。そして矛盾は危機時にその本質を露呈します。疑似debtはその隠れた本質(equity性)を前面に表し、流動性が消滅し投資家を混乱に陥れます。なぜこんな商品が生み出されたのでしょうか?そこにあったのは国際金融市場における銀行の自己資本規制の理想と利益を求めざるを得ない現実の妥協です。そして生み出されたのが「会計上」の資本とは異なる、擬制としての「規制上の資本」という考え方です。そしてその延長線上にあるのが、もっとvirtualなeconomic capitalという概念です。必然的に生じたこの「会計上」の資本と「規制上」の資本との間のギャップを埋めるために考え出されたのが、この種のhybdrid証券です。もともとが不思議な発生の由来を持つ商品なのです。そこでは様々な当事者(銀行、当局、投資家、そして仲介業者)の微妙な認識と着眼点のずれが商品設計上、極限まで追求されています。したがってこの種の商品は本来このギャップ(規制と会計)に直面する金融機関だけが対象となるのですが、人間の傲慢と欲はとどまることがありません。この種の商品は通常の企業にまで利用されることになります。この商品の日本の非銀行以外への企業への導入のプロセスは本書でも丁寧にフォローされています。でもこの種の商品の日本への導入に必然的に伴った「誤解」と「誤用」そしてその帰結が持つ哲学的なインプリケーションが本書で吟味されることはありません。名著「infectious greed」との併読も勧めます。