第8の後のソナタ
★★★★★
このディスクに残されている2つのピアノソナタは、彼の最後に完成した8番シンフォニーよりも更に後に作曲されたため、物凄くロマンティックでございます。
まぁ、15番は8番シンフォニーと同時期に作曲されたため、内容は近い所で響きます。
その15番を内田さんがやってくれました!
和音を同時に鳴らしてくれるから、音が尖ってないんです。
…和音はズレてなると、音と音の間に発音の高低が出来てしまい、結果的に音の先端部が尖ったまんま、僕らの耳に…‥(魂に)刺さってくる…。
提示部のハ調長への輝きは、アーノンクールのシューベルトチクルスを破壊する力強さを感じ、15番にありがちな冗長を執行に微妙な表情で美しく仕上げきっています。
18番の一楽章を早く弾いてます。これは意外でした。でも確かにシューベルトはカンタービレと書いてあります。なら…‥一楽章はピアノ音楽というより、歌手のいないリートと考えるべき。
なるほど、内田さんの第1主題の速度なら第2主題に入ったときに「わざとらしく速度を遅くする」必要がなく、一本の線で一楽章を結びあげることが可能ですね…‥。
内田さんの指揮するシューベルトシンフォニーを聴いてみたくなる演奏である。