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古本道場 (ポプラ文庫)

価格: ¥588
カテゴリ: 文庫
ブランド: ポプラ社
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「古本屋が媒介となって、縦横無尽に広がる知識の糸は、純粋に知識の糸なのだ。」 ★★★☆☆

 後に直木賞作家となる角田光代が、フリーライターで古書の世界に詳しい岡崎武志の指令に従って、都内の古書店を経巡るという企画をまとめた一冊です。
 角田光代はこの企画以前にはさほど古書店に慣れ親しんだ形跡がなく、書かれていることはルポルタージュというよりは気楽な古書店エッセイといったレベル。都内の古書店に関する奥深い業界裏話は登場しません。
 古書店めぐりに慣れた読者には少々歯ごたえがないかもしれません。

 それでも私はある程度楽しめました。
 ひとつには、早稲田の古書店街を歩く角田の案内役に向井透史が付き添っていたこと。
 早稲田古書店街に生まれ育ち、「古書現世」の跡取りである向井透史は「早稲田古本屋日録」という名エッセイを物している人物。その彼と共に古書店街を歩く贅沢を味わえた角田は果報者です。しかし「早稲田古本屋日録」はこの「古本道場」の単行本が出た翌年に出版されたので、角田はまだ向井の練達の文章に触れておらず、自らの幸せを知ることはなかったようです。

 渋谷の古書センターはこの二十年来私が頻繁に足を運ぶ古書店ですが、その二階に「フライング・ブックス」なる別の古書店があるということを本書で初めて知りました。早速出かけてみましたが、本書の記述通り、ビート族などの米国文学やスピリチュアリズム、サブカルチャーなど、私の関心が向いている領域の古書が並んでいました。
 昭和42年刊行の「アメリカのベストセラー(1967年)」(武田勝彦/研究社出版)を500円で買って帰りました。

 最後に私が強い共感を覚えた言葉を引き写しておきます。
 「今も無知だが、十八歳の私は本当の本当に無知だった。知らないことだらけだった。」(93頁)
 「古本屋が媒介となって、縦横無尽に広がる知識の糸は、純粋に知識の糸なのだ。私は単純に知りたいし、読みたい。そのことの、なんと贅沢よと思う。」(226頁)
古本屋めぐりの楽しさ ★★★★★
新たに創刊されたポプラ文庫の最初の1冊。

作家の角田光代が古本の専門家?である岡崎武志の指令に従い、神保町や早稲田の古本屋を回る話。

特に面白かったのは、わせだの古本屋街。自分も角田氏と全く同じ時期に早稲田に通っていたので(学部は違うが)、あの界隈を歩いていた。自分の古本屋遍歴は、4むしろ高校時代に通った神保町(特に今は亡き 東京泰文社でペーパーバックを買いまくっていた)が始まりだが、早稲田の古本屋も良く通った。もしかして角田氏とすれ違っていたかもしれない。

そのほか西荻や鎌倉の古本屋の話も興味深い。自分も必ず、どの街に行っても古本屋を探すのだが、最近はBOOKOFFとかが多くて、このように個性的な書店はなかなか見つけられない。と思っていたら、そうではないようだ。勉強不足だな。

この本には取り上げられていないが、最近の谷中、根津も言い本屋が多い。
読みものとしてもおもしろい30代〜40代サブカル好きをその気にさせる古本屋ガイド ★★★★★
古本世界にくわしい岡崎武史氏を師匠に作家、角田光代が毎回指令された街へ古本屋めぐり、古本探しにでかける。

神保町を手始めに代官山/渋谷、東京駅/銀座、早稲田、青山/田園調布、西荻窪、鎌倉、東京古書会館(神保町)などそれぞれの場所の特徴にあった古本屋をたずねる様子が書かれている。

ただの古本屋ガイドではなくそこは角田光代だけあってそれぞれの場所の印象、思い出をおりまぜながら好きな本や作家の事も語っていて読み物としても十分おもしろい。
同世代だけに共感する部分が多く30代〜40代のサブカルの影響を受けた人達に特におすすめです。
きっと角田さんと同様、古本屋めぐりがしたくなるはず。またすべての古本屋が地図付きなのがありがたいです。

また特別編として旅先での古本屋体験ものせられていてこれが旅好きで知られる角田光代さんの本領が発揮されていて初期の角田光代の旅小説が特に好きな私としては大満足の内容でした
古本の“楽しみ方”入門 ★★★★★
角田光代が古本道の師匠・岡崎武志の指令を受けて
神保町、代官山・渋谷、東京駅・銀座、早稲田大学周辺、
青山・田園調布、西荻窪、鎌倉などの古本屋を巡る。

この中でみつける古本は、市場価値や希少価値よりも
“ 角田光代本人が好きなもの ”重視。
「高価な希覯本を安く探す」のではなく、あくまで
「自分の“好き”を大切にして古本の世界を楽しむ」
という姿勢に好感がもてました。

文庫版には単行本未収録の特別編として「海外の古本屋へ」と
「古本道場 実践編」が収録され、実践編は岡崎氏推薦の
入手困難な文庫本のリストになっている。
単行本よりこちらの方が値段も安いので内容量はお買い得かも。
古本世界の入門編 ★★★★★
古本ってすごく興味あるし、読みたい本で絶版の物も多いのですが、古本屋に足をふみいれるということになると、話は別。何か怖いんですよね。つまさきから、頭のてっぺんまで値踏みされているような感覚がする。高級店に入るときのような。でも、この本を読むと、いてもたってもいられなくなる!今すぐいきたくなります。角田さんがどんな本をよむのかなど、情報満載です。