タータンに喜ぶスコットランドの旅
★★★☆☆
日本でもおなじみの柄であるタータンチェック。男性用スカートのようなキルトは、バグパイプ奏者や、ユアン・マクレガーなどスコットランド出身の俳優が正装として着用していることもあります。
本書は、単なるチェックのデザインというだけではなくスコットランドでは家紋のような役割を持っているタータンに着目しながらのスコットランド旅行を綴ったフォトエッセイです。
まず最初に歴史の概説があり、タータンチェックがどのようにして生まれ、発展していったのかが、イングランドとの長い抗争の歴史に絡めながら語られます。
長年の伝統と民族の誇りを体現した布地という感のあるタータンも、ある意味作られた伝統であるようです。また、タータンチェックの柄の写真もたくさん載っています。想像以上にさまざまな色合いがあるようです。
一通りの解説を終えた後は、筆者の旅行記になっています。ホテルの寝具や、土産物ショップに溢れるタータンの布地。布を織る工場も見学します。
現代のスコットランドにおいて、タータンがどのように生産され、生活に浸透しているのかがよくわかります。日本向けにデザインされたパステルカラーのタータンチェックのスカート等もあり、
どこか高校の制服のような馴染みやすいかわいい商品に仕上げられていました。他にもカバンやロングドレス、財布など様々なところにタータンが用いられており、
スコットランドの人々、そして本書の著者自身のタータンへの愛がとてもよく伝わってくる本です。タータンチェックの物を目にしてとにかく盛り上がってらっしゃる様子がよくわかります。
とりあえず、タータンについて改めて調べてみたいと思わせてくれる本でした。