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ローマへの道 (小学館文庫)

価格: ¥590
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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私は表題作が好きです。 ★★★★★
もうストーリーについては他のレビューアーさんが詳しく書かれていますが・・・
バレエの「音楽」や美しい「絵」に溶け込むように流れるこのお話が私は好きです。
エピソードを象徴するような美しい扉絵が特に印象に残りました。
バレエという動的なものを扱っていてドラマもあるのにどこか静かで密やかな空気が満ちているようで不思議なお話でした。
ネタバレはしなくないので引用しませんが、素敵な台詞もいっぱいありました。何気ないシーンですが
ドミがマリオにしたアドバイスは萩尾先生の創作の秘密でもあるのかななんて思ったりもしました。重みがあります。
また、ユーナのキャラクター造形と彼女に対するマリオの評価、そして二人の決別のシーンは地味ながら色々なことを考えさせられる数ページだったと思います。
このシーンと192ページに続く一連の流れは上手い対比になっていると思います。

90年の作品なんですね。凄いですね。絵の技量も90年にこんな物語を書けてしまったという事実も。
文庫版のトーマの心臓から最近入った読者なのでその点にただただ驚きました。服装は(可愛い服もあるものの)どこか
80年代風ですが、絵柄は写実的なアレンジのある少女漫画といった風で古臭さを感じませんでした。
今でこそありふれた感じを受けるかもしれませんが80年代や90年初頭にこういった話題に着眼点を置いて
しっかりしたお話を書けるのはすごいかなと思います。同作者の残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)も長いですがよく勉強しているなぁという内容だったと思います。
ずっと恐れ多くてレビューができなかったのですが何度も読み返しているうちに素直に思ったことを口に出してみようという気になり
感想を書きました。A Drunken Dream and Other Storiesでやっと英語版の萩尾望都先生漫画が読めるようになりますが、
(以前も少し翻訳されていましたが(A-A’以外は)入手困難だったりファンの訳でした)これや訪問者 (小学館文庫)やトーマの心臓 (小学館文庫)、
ポーの一族 (1) (小学館文庫)なども翻訳されて全世界に広まってくれたらいいなと思います。
【バレエマンガ】ではないけれども ★★★★☆
【バレエ】のストーリーを見たくてこの本を手に取ったらがっかりするかもしれません。
他にもバレエを主題にしている作品はたくさんありますし、きっと本人もバレエを
ある程度やってらっしゃるな、と思えるものもたくさんあります。

それではなくて、この本は萩尾さんのストーリーテラーとしての腕の光る 泣きの
お話を楽しむものです。途中「なんとベタな。。。」と思いましたが、どんでん返しがあり
「やはりこの人はそんな単純なものはつくらないんだな」とあらためて納得。

星を減らしたのは、バレエテーマじゃなくてもよかったから。バレエでプロになる人の
育ちとしては、いささか疑問(財力等)な登場人物が多かったのでちょっと違和感。
大好き ★★★★★
本作を読んだとき、私のバレエ知識はゼロ。でも、とってもおもしろかった。
萩尾さんて、普通の男女の恋愛ものも書いていたんですね。「マージナル」で萩尾さんを知ったので、本作は感動ものでした。
で、「残酷な神が支配する」で、嫌悪感で鳥肌たちました。
両極端?なものが生み出せるなんて、すごいなあ。
ベタなトラウマ漫画 ★☆☆☆☆
バレエ団で野心を燃やす青年(「少年」に見えるが)に暗い過去が訪れる…「母は父を殺した殺人者だった」。それをきっかけに彼は恋人に手を上げるドメスティック・バイオレンス男と化し、バレエ団でも上手く行かなくなる、のだが、母と再会・和解した途端別人28号、すべてが癒され、バレエ団でも認められる。「んなわけねーだろっ」と叫びたくなるような、公式的・還元論的に組み立てられたトラウマ&癒し漫画。
もっとも痛いのはメインのカップルにまったく魅力がないこと。主人公の青年は男ではないしその恋人は女ではない。

この後『残酷な神が支配する』で蘇るが、この時期の萩尾さんは「忘れられた漫画家」と化していた。そしてこういう話ばかり書いていた。「現在」のすべてを「過去=親」に還元するポピュラー・サイコロジーの世界である。

彼と一緒に私も学んだ ★★★★★
萩尾望都のバレェものには主人公に感情移入することで癒されるものが多い。どれも素晴らしいが特に「青い鳥」と本作は何十回と読んでいるが、泣かずに読み終えられたことが無い。本当に、心にこごっていた何かが溶けていくような安らかな気持ちになる。

また、300p余の文庫版には表題作のほかに萩尾先生のバレエ漫画で一番好きな「青い鳥」が入っている。この2本を一緒に読めるんだ。買っちゃうさ。
同時収録の「ロッドバルト」はサスペンス仕立て。公演中に起きる殺人、犯人は同じ舞台に立つダンサーか付き人か演出家か、お互いが疑心暗鬼の中、舞台を続けるために次々順送りに代わっていく配役。舞台の成功と事件の解決、そしてもうひとつの物語の三つが絡むご機嫌な構成。