公平というよりは連合国側の自省かな
★★★☆☆
高く評価されている本書だが、記述が全体的に「道徳」的でついていけない部分が多かった。
外交を、どれだけ自分の味方を増やして、自分に得になる環境を作るかという作業と捉えると
道徳とか倫理をあんまり前に出した議論は意味がないと思う。
(道徳や倫理と外交とが無関係ということではない)
むしろ作者は連合国側に向けて「勝ったからと油断するな、そんなこっちゃこれからアジアと
付き合ってけんぞ」と警告したいのかな、という印象を受けた。
評価は、たとえば入江昭の本のような冷静さが足りないので★減点。
加えて訳文が日本語になっていないので★減点。
さらに、太平洋戦争史の知識のない人向きではない。
(学術書の体裁をとっいるが故の読みにくさは、致し方ないが)。
太平洋戦争の様々な側面について勉強している人には役に立つでしょう。
蒋介石は全体主義者だった
★★★☆☆
蒋介石は全体主義者だったというところに驚いた。他にも目から鱗が落ちる記述が多い。私たちが、いかに左翼史観に汚染されいてたかが思い知らされる。
太平洋戦争の入門書としてなら
★★★★☆
読みやすい本とは やはり感じられませんでしたが、
この本が世界の太平洋戦争を見る標準的な考え方になってる様に思いましたので、入門書としてお勧めなのではないかなと思います。
ただ、意味もなく(・・、読者の中の日本民族への反発者をなだめる為?)残虐な日本と言う様な書き方が、至る所で目に入り、なんだか、そう洗脳されてる気がしました。
ですので、この本を まず入門書として読んでみて、残虐な日本人の根拠と思われる
「南京虐殺」の検証本を読んで見ると、あの戦争が実際には どういうものか理解出来るような気が しますが。。
訳はとっつきづらいです。
★★★☆☆
客観的論述のスタイルで非常に勉強になる内容だとおもうが、訳はやはりこなれていないと感じました。頭に入ってきづらいというのは的確だとおもいます。それが非常に残念です。原文と訳、どちらがそうさせているかはわかりませんが、読む人を選ぶ文体かもしれません。
各国の思惑、国内外の機運・情勢を客観的に俯瞰した名著
★★★★★
実に面白かった。私は訳文にそんなに違和感はありませんでした。
連合国、枢軸国それぞれの事情や、白か黒かでわりきれない様々な
国内機運や思惑を丁寧に史料で示している。本書が客観的、公平と
評されるゆえんでしょう。
一般に耳にするような、単純化された戦略上の衝突や、とってつけ
たような「必然論」とは無縁です。
直接的な参戦事情とは別に、従来の価値観が徐々に変質し、通用し
なくなった面についての分析は、T・クーンのパラダイム論の影響
を感じる。大局的なパワーポリティクスだけに単純化せず、見えに
くい「機運」や相反する流れなど、意識・無意識、大小さまざまな
流れを描いており、歴史を見る上で是非お手本にしたいと感じさせ
ます。地味かもしれませんが、頁を繰る手が不思議と止められませ
んでした。