1〜3日以内の発送(土日祝除く) 在庫:少 種別:DVD 古尾谷雅人 田中登 解説:1938(昭和13)年に、30名(自殺した犯人を含めると31名)が死亡、3名が重軽傷を負った、岡山県苫田郡西加茂村大字行重の貝尾・坂本両部落で実際に起こった、大量殺人事件「津山三十人殺し(津山事件)」(横溝正史「八つ墓村」のモデルとしても知られる)。その昭和史に残る惨殺事件を題材に、犯人サイドにスポットを当てることで事件を解明してみせた作品。時代が封じてきたタブーに挑んだのは「実録・阿部定」など異色の作品をはなってきた鬼才・田中登監督。脚本は「陽はまた昇る」の西岡琢也が担当。そして主人公を故・古尾谷雅人が熱演した。欲望をかきたてるエロスと凄まじい暴力描写、未曾有の惨劇シーンなど恐怖を展開しつつ、深い感動を込めて描いた日本の映画の常識を覆した傑作。 販売元:松竹 JAN:4988105059672 発売日:2009/02/25 登録日:2008/12/26 邦画ドラマ全般
故古尾谷雅人氏の演技が光る逸品
★★★★☆
故古尾谷雅人氏の演技が文句なしで最高です。
優しく穏やかで秀才の好青年と、怒りと狂気にまみれた殺人鬼の演じ分けが素晴らしいです。
「みなさま方よ、今にみておれでございますよ・・・・・・・」
で完全にシビレました。ノックアウトです。
若かりし頃の田中美佐子さんにもノックアウトです。
元コメットさんの大場久美子さんは出ているだけでノックアウトされます。
私達の世代は大場久美子のコメットさんで刷り込みされているので、
大場久美子と聞いただけでノックアウトです。まさしく、パブロフの犬。
ストーリーは概ね史実に基づいているので、それほどドラマテックではありません。
比較的淡々と、少し飛び飛びに進みます。(幼なじみとの関係はフィクションです)
正気から狂気への移り変わりも、練り込み不足な感じはします。
しかし、素晴らしい俳優陣の素晴らしい演技、実際にあった事件としての重さと狂気、
山奥の村の息苦しくなるほどの閉塞感、と見所は多いです。
ただ、エッチなシーンも見所が多すぎるので、家族団欒での鑑賞には不向きです。
八つ墓村の原型
★★★★☆
横溝正史の八つ墓村の元(?)になり、戦前に起こった事件「津山30人殺し」の事実を赤裸々に表した映画。主人公がどうしてそのような行動をとり惨劇を繰り広げたのか、当時の風潮や社会、そして若者の意識などが主人公を追い込んでいく。また劇中の女たちが主人公を見る表と裏の面、不治の病と云われた結核に対する社会の偏見など、いろいろ考えさせられる。配役も適切で皆よくそれぞれを演じており見ごたえのある作品。
子どもは見ちゃダメ(笑)
★★★☆☆
今は亡き古尾谷雅人さんの“ヘタだけど味のある”演技が見もの。あの頃の日本は、まだ夜這い風習があったのね。うらやまし……もとい、いわゆる田舎の『ムラ社会』がよく描かれてます。お子様には見せたくない映画であることは確かですね。
私の記憶が確かなら
★★★☆☆
私の記憶が確かならこの映画の頭に懐中電灯をあたかも鬼の角の様にくっつけて兇行に及ぶというのは野村芳太郎の八つ墓村の全くの創作、オリジナルだったと思うのですが…。間違ってたらごめんなさい。
昔この映画はレンタルビデオ屋で18禁のコーナーにありましたね。そんな訳で野村芳太郎の八つ墓村を先に観ていた為インパクトは今一つでしたね。それでも映画好きならカルトムービーとして押さえておくべき映画だと思います。
レアものだが…
★★★☆☆
「津山30人殺し」を基にした映画だが、勿論脚色されて全てが事実ではない。筑波昭氏や松本清張氏の文庫本などを読むと分かるが、田中美佐子さん扮する被疑者と同年代の女性は実際の事件では被疑者の標的にされたが隣家に逃げ込み難を逃れたりするなど、設定が異なる部分が目立つ。長年入手不能だったレアもので、入手可能になったのは良いことだが、今の目で見ると、ムラ社会の奇矯さと暴力やエロスのみが強調され、被疑者が閉鎖的で不寛容なムラ社会の中で孤立し復讐を願い凶暴化してゆくまでの心理描写が不足しているように感じる。それが薄ければ終盤の大量殺人という残酷な結末が唐突に感じられてしまう。これだけの名だたる役者がそろっていたのだから、あともう一工夫あれば、と惜しまれる。なお、瑣末なことだが、容疑者が犯行後、山で最期を迎えるとき、一望したムラの風景は当時の茅葺きではなく、現代風のトタン屋根だったところが(爆)でありました。