聞仲戦、最終章開幕
★★★★☆
表紙は三大仙人の一人、太上老君ですが、残念ながらこの13巻には登場しません。中のカラーページは崑崙十二仙です(宝貝持っているバージョン)。
王天君の策略と聞仲による金鰲の始動から始まった、金鰲VS崑崙の仙界大戦。13巻では、金鰲の実質のボス、そして殷の大師でもある聞仲と、崑崙の仙道などとの熾烈な戦いが収録されています。
「望ちゃん…何かを成すには 誰かの犠牲がつきものなんだよ それが大きな事であればあるほど 犠牲の数も比例する」そんな普賢真人の言葉に象徴される様な、今までで最も濃密で悲劇的な展開の巻でした。
崑崙十二仙、武吉、蝉玉、太公望、ヨウゼン、元始天尊、かつて聞仲の良きライバルだったあの人など。今まで登場したキャラがほぼ総ざらえで次々に聞仲と激突し、そしてその多くが封神されてしまう…。リアルタイムでこの物語を追い掛けていなかった自分にとって、この展開は衝撃的でした。「殷を守る」という鉄の意志を貫き、禁鞭を振るう聞仲と、文字通り命を賭けて、崑崙や周の為に無謀な戦いに挑む仙道達。彼ら全員が生き残る作戦を練ろうとする太公望と、太公望を護ろうとする回りの想いとの対比も、本当に切ない。
死んだはずのあの人物もまさかの再登場。そして、封神計画の更なる真実への予感。それぞれの信念が悲しく眩しい激動の巻。漫画好きならゼヒ一度は読んでみて下さい。
良いものは何度読んでも良いものです
★★★★★
2005年より刊行されている「完全版」も、ついに太公望VS聞仲の決着まで来ました。
本巻は印象深いエピソードが少ないページ数の中に満載されています。聞仲VS崑崙十二仙、普賢真人の封神、元始天尊VS聞仲、聞仲と黄飛虎、そして残念ながら14巻収録分になってしまう聞仲の最後・・・。
原作の聞仲は割と序盤であっさりやられる記憶しかありませんが、藤崎氏はそんな聞仲を分厚い信念を持った、重厚なライバルキャラに仕立て上げました。彼の存在は、間違いなく藤崎版を名作にのし上げる要因になりました。その功績は相当なものだと思います。
自分も封神はJC版全巻を持っています。本巻収録分は何度も読んだエピソードですが、名エピソードは何度読んでも面白いですね。