正統派であり 読みやすい秀作
★★★★★
幽霊・妖怪の世界が大好きな息子が「雨月物語と遠野物語が読みたい!」と言い出したので
「ほんまかいな。読めるんかいな。」と思いながらも「まあ本人が望んでいるし」と、こちらで検索し、購入しました。
届いた本をのぞいてみると丁寧なふりがな、カラー挿絵、その時代を知る上でのミニコラム、用語解説など講談社お得意の作りになっていました。
その丁寧な作り故、この本の対象年齢が小学校上級以上となっているのにもかかわらず、小学校低学年の息子にもどうにか読めるようで、がんばって少しずつ読んでいます。
低学年の息子が 秋成の美しくもおどろおどろしい人間の業・性(さが)・情というものを理解できるとは思えませんが
それでも秋成の世界の100分の1でも享受してくれればいいなと思っています。
私が雨月物語に出会ったのは高校生。この世界観に魅せられ、大学の卒論のテーマに選んだほど。
でも今の子は小学生でこの世界観をのぞき見ることができるのですね。
それもこれも こんな優れたシリーズを発刊してくれる出版社があるからこそ。
正統派ど真ん中ですから 大ベストセラーとはいかないかもしれませんが
地道にコツコツと こんなシリーズを出し続けていただきたいと思います。
息子が待ち焦がれている「遠野物語」もぜひお願いします!