ふと、思い起こすと最初にカメラを手にしたのが、母の所有していたペンS。あの手の中に収まる存在感は今のデジカメにはありません。
もう半世紀前のハーフカメラは？と興味を持ちだすと、まだまだ多くの愛好家がいるじゃないですか。
さらに中古・ジャンクで低価格の取引がされており、つい手を出してしまいました。

いくつかのジャンク品の復活のため、情報収集にと購入しました。そういう意味では少し物足りない内容です。
しかし、当時のカメラの魅力を伝えるには十分です。
じっくり読んでいけば、各カメラの製作の苦労やアイディア、デザインの優秀さが伝わってきます。ホント、現物がほしくなります。
本のカバーデザイン意匠や中身のレイアウト・写真構成などを見るとやや女性向き（?）の感じもあります。
流行り物を得意とするエイ出版なので、あまり好きではないのですが、昔のカメラにちょっと興味がある方なら、
お勧めできる一冊でしょう。少し器用な人なら不動のジャンクも甦らせることが出来るかも。

ちなみに、ペンのシャッター音は大好きです。

本自体の、製本も良く、紙も良く、中の写真もきれいです。ハーフサイズカメラがヒットしたころの代表的な機種を中心に、著者が長い長い時間をかけて、分解・修理・メンテナンスを行ってきた困難の道の集大成。しかし、困難よりも著者のハーフサイズカメラに対する愛情が、タイトルどおり感じられる、楽しく、どこか可愛らしく、美しい本です。各カメラに対する著者の想い入れに、その分解・組立法が鮮明な写真付でプラスされています。僕だったら、本体を眺めているだけでも幸せになってしまいますが、分解写真を見るのも、そうかこんな構造になっていたのかと、楽しいひと時がすごせます。全頁を通じて載っている写真も、商品写真、スナップ写真、風景写真、マニュアル写真として、素敵な写真ばかりだと思います。個人的には永久保存して置きたくなる本です。