同調する切なさ
★★★★★
この作品をかなり久し振りに再読して、不意にレビューが書きたくなりました。
この作品は万人受けではないかもですね。現実との既視感を感じた人には合うかもしれませんが楽しいものではありません。
本作は漫画を単に娯楽として楽しむために見たい、という方には全くと言っていいほどお勧めできません。前の方のレビューで、自分は面白い漫画を見たかっただけなので合わなかった…という方がいらっしゃいましたが、ごもっともです。
この作品を読むのは楽しむためではなく、ある種のやるせなさ、くすぶる苦しみに救いを求めている人が不意に手を伸ばしたくなるからなのだと思います。
言葉では言い表せないこの世に対する辛さを人は不意に感じてしまうときがあります。そんな時に読むと自分もこの作品に同調してしまう。なかなか他では見ない作品ですね。
又、この作品の連載当時には考えられない様な内容だったのでしょう。敢えて怯まず書ききった楠本さんには脱帽です。
蜜のエキセントリックさが際立って美しく書かれていて憧れすら覚えてしまいます。
正直、私も昔初めて読んだときはあまりしっくりきませんでした。でも今改めて読むと言葉に表せないようにストンと落ちてきます。
一読して合わなかった人はすぐに売ったりせず、少し置いておいてみてください。勿論万人に受ける作品ではありませんが時間が過ぎてある時ふと今作の評価が変わる人もいるかもしれません。
又、勿論楠本ワールドにどっぷり浸かっているという方にはオススメです!
言葉にならない衝撃
★★★★☆
なんとなく気になって手に取った作品ですが、絵柄がすごく綺麗。話は破滅的でダークな世界感なのですが、麻薬のような魅力っていうんでしょうかね。読み進まずにはいられない何かがありました。ただ、絶縁した友達で蜜に少し似た危うさを持った子がいたので、僕に共感する反面、読んでてすごく辛かったです。こういう人の負の面に迫った作品が苦手な人には安易には勧めないほうがいいかも。
一言でいえば「最高級品」
★★★★★
蜜は私がちょうど 中学生のころに出会った女性。
こんなにもアドレナリンが出る作品を私は今でもあまり見かけることが出来ず
残念でならない。
この読んでいる内に心の中から 溢れ出てくる気持ちはなんなのか。
言葉になんかならない。
よく中古でこの作品が店で売られているのを見つけると頭にきて購入しては
大切にしてくれる人にプレゼントしたりするくらい
この作品は素晴らしい。
「素晴らしい?」そんな言葉ではこの作品を表現しきれない。
狂おしいほどに愛おしい作品なのかもしれない。
そう きっとこれは麻薬のような効果を発している。
購入する方に言いたい。これほどまでに最高の作品を手放すことはありえない。
以上。
世界観がすばらしい。
★★★★★
只、この世界観(この小説)は読者によっては読んでも「ワケがわからない」という人もいると思います。しかし、それを乗り越えた人々にとっては将にバイブルとなりえる。それくらい素晴らしい本。だけど、容易に人に紹介することはやめておいたほうがいいと思います。だって、きっとわからない。
買いですが、R15の逆で。
★★★★☆
そこにひとつの秩序が働いているのは明確だけれど、自分の年齢とか世俗の垢とかそういったつまらないものが障壁となってうまくそこに入っていけませんでした。身近にこういう人がいたらたまらないなとか、すごくどうでもいいことを考えてしまう自分がとても残念ですが、そんなふうにこの作品の前で門前払いをくらって立ち尽くしてる自分を強く感じさせられました。