秘密の廊下と隠された部屋と大きな大理石の暖炉がいっぱいの古い家で暮らしてみたい。いつもそう夢見ていたルイスは、ある日気づくと、まさにそんな家の中にいた。両親が死んで、おじのジョナサンの豪邸で暮らすことになったのだ。そのうえ、この大柄で優しいおじは魔法使い。ルイスはうれしくて思わず椅子の上でぴょんぴょん飛び跳ねたくなるほどだった。だが、喜んでばかりはいられない。なんとこの家の前の持ち主は邪悪な魔法使いで、家の壁のどこかには世界の終わりに向かって時を刻む時計が埋め込まれているという。ハロウィーンの夜にルイスが偶然死者を目覚めさせると、時計の音は急に大きく速くなる。大変！ このままでは世界最後の日が迫ってくる。早く時計を止めなければ！

   ユーモアとペーソスがほどよく盛り込まれた楽しく怖い物語。エドワード・ゴーリーのペンとインクによる独特なイラスト（『The Shrinking of Treehorn』、『Old Possum's Book of Practical Cats』をはじめとする数々の絵本でおなじみ）が、ジョン・ベレアーズのつづる孤独な男の子と変わり者のおじと屋敷亡霊たちのちょっと皮肉で感動的なストーリーにぴったりはまっている。（Emilie Coulter, Amazon.com）