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ヴィーコ - 学問の起源へ (中公新書)

価格: ¥2,133
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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ヴィーコから「近代の知」を照射する ★★★★★
 ヴィーコという、あまり日本でなじみのない人物をとりあげた新書。相当に読みごたえのある知的挑戦の書といえる。
 中世から近世、近代へとダイナミックにヨーロッパの知的情勢が変転する中にあって、彼の著作・言動を子細に考察していく。デカルト批判に代表されるその思想を丹念に整理し、体系化していくことで、単なる当時のヨーロッパだけの知的文脈上のばかりでなく、本居宣長「古事記伝」との類似性や、ついには「理性主義的錯誤の危険性」までを指摘し、近代の諸科学のありかたにも批判を提示する形となっている。
知の巨人による「近代」への警鐘 ★★★★★
本書は、東京外語大学名誉教授であり、

イタリア思想を専門とする著者が、

17世紀イタリアの哲学者ヴィーコについて解説する著作です


幅広い分野を包括する議論を展開し、

クローチェ、ハーバマス、バーリン、清水幾太郎など

錚々たる思想家によって取り上げられながらも

日本では、十分に知られているとは言えないヴィーコ。


著者はヴィーゴの自然科学者、キリスト教者、バロック人等の側面に注目し

実験・実証を重視しつつも、理性の限界を強調したヴィーコの思想を紹介します。


同時代を生き、近代思想の基礎を築いたデカルトに対する厳しい批判

「人類の共通感覚」を通じた「最初の人間たち」の理解

彼の著作の表紙に登場する「叡智の目」など、

興味深い記述が多くありました。

なかでも個人的に特に興味深いのは

キリスト教者であり、ピエール・ベールを批判したヴィーゴが

神学的な傾向を薄め、「共通感覚」に依拠していく経過と

それに対する著者の評価です。


「自然の学と自然の同一視」や「学識の誤り」など近代が内包する危うさを、

その創成期において指摘したヴィーコの鋭い問題意識と

今日における重要性を簡潔に知ることができる本書


思想史に関心がある方はもちろん

一人でも多くの方にオススメしたい著作です。