狩猟免許を取得するに辺り、倫理的な問題を検討する為の参考として買った。
オルテガを知ったのもその著作を読んだのも初めてである。
文章は少しペダンティックで読み易くは無いが、難解すぎる事も無い。
但し、その紙背には相当な深みのある思想を湛えており、安直で浅薄な書評はその真価を歪めてしまうだろう。
つまり、読者の読みの深さが試される本である。
単に狩猟に留まらず、今日の環境問題や動物愛護などの問題までもが射程に収まっており、先見性や視野の広さに気ずくはずだ。
アングロサクソン文化支配へのささやかな抵抗も見られて微笑ましい。